大阪万博開幕から1週間、「夏日」の暑さで大屋根リング下に人集まる…無料給水スポットにも長い列
2025年4月20日(日)0時0分 読売新聞
多くの来場者でにぎわう大阪・関西万博の会場(19日午後、大阪市此花区で、読売ヘリから)=渡辺恭晃撮影
大阪・関西万博は19日、開幕日以来となる週末を迎え、人工島・
ミストで涼
この日、大阪市内は快晴となり、最高気温は6月中旬並みの28・1度と、開幕後初の夏日となった。会場では日傘を差す来場者が目立ち、日差しを避けようと、大屋根リングの下や予約せずに入れるパビリオンに人が集まった。74か所ある無料の給水スポットには長い列ができた。
パビリオンの中には独自に暑さ対策を講じたところもある。北欧館やオランダ館は並んだ人に日傘を貸し出し、住友館はパラソルを設置。インドネシア館は数分おきにミストを噴射した。
自前で備えてきた人も多い。広島県福山市の会社員男性(43)は帽子やネッククーラーを持参。「会場には日差しを避ける屋根が少ないと聞き、万全の準備で来た」と話す。
日本国際博覧会協会(万博協会)は、給水スポットのほか、自動販売機も248台設置。2005年の愛知万博の3倍に上るが、夏場に向けて、新たに移動可能なスポットクーラーを設置していくという。
「スクショ」浸透
万博の来場者は事前に来場する日時を指定する必要があり、開幕日の13日は、「正午〜午後5時」の入場を指定した来場者が、正午過ぎに大阪メトロ夢洲駅直結の東ゲートに殺到。1時間半待った人もいた。
大きな要因となったのは、入場に必要な電子チケットのQRコードだ。混雑の影響でインターネットがつながりにくくなったり、スマートフォンの操作に手間取ったりして、うまく表示できない人が相次いだ。
万博協会は対策として、ゲート付近に無料Wi—Fi(ワイファイ)を設置。事前にQRコードをスクリーンショットで画像保存したり、印刷して持参したりするようにも呼びかけている。この日はQRコードを事前に準備してきた人も多く、午後1時前に来場した滋賀県彦根市の会社員男性(57)は「駅を降りてからほとんど止まらず入場できた」と話した。
山場はGW
来場者も、快適に楽しむための工夫を凝らす。
福井市の非常勤講師の男性(67)は会場のマップを印刷してきた。会場内には有料のものしかなく、購入の際も並ぶ必要があるためだ。「スマホだと、いちいちマップを拡大しないといけないが、紙だと全体を見渡せていい」
必携品となりつつあるのがモバイルバッテリーだ。会場では、入場時やパビリオンの予約、キャッシュレス決済など、スマホを使う機会が多い。東京都台東区の会社員(53)は「充電切れにドキドキするのは嫌。スマホでたくさん写真を撮るつもり」と笑顔を見せた。
間もなく始まるゴールデンウィークは、開幕日をしのぐ人数が来場することも想定され、山場の一つとなる。万博協会幹部は「日々改善し、万全の態勢で迎え入れたい」と述べた。