「裁判員制度」導入から16年…様々な意見交わし、「司法」少し身近に

2025年5月21日(水)17時30分 読売新聞

裁判員制度の模擬裁判

 市民の司法参加を実現するための裁判員制度は2009年5月21日にスタートしました。導入から16年。読売新聞朝刊の投書欄「気流」には、裁判員制度に関する投書が寄せられてきました。記者の心に刺さった投書を紹介する「ササる投書」、今回のテーマは「裁判員制度」です。(※投稿者の年齢や職業などは掲載当時。紙面では実名で掲載)

日本を見直す良い機会に

 裁判員制度が始まりました。僕は、この制度はとても有効だと思っています。

色々な人たちと意見交換し、それを取り入れることで、裁判官だけでは出てこなかった考えが生まれてくるかもしれないからです。

 また、国民にとっても、日本を見直す良い機会になると思います。裁判員になった人は「日本にはこんな問題があるのか」「ここをこうすれば良くなるのでは」といった思いを持つことができます。そういう人たちが増えていけば、国も上向くと思います。(14歳・中学生=岐阜県、2009年7月27日掲載)

導入1年、制度の充実に期待

 裁判員制度が始まって1年。一般市民にとって「司法」が少し身近になり、裁判がわかりやすくなったように思う。

 真剣な表情で法廷に臨み、疑問に感じたことは率直に質問する裁判員たち。そうした姿勢が新しい制度を支えているのではないか。

 2年目を迎えて、死刑判決を考えなければならないケースなど、裁判員にとって、これまで以上に、難しい判断を迫られる場面もあるだろう。

 それだけに、たとえば証拠提示の仕方など、様々な工夫が望まれる。多くの人の人生を左右する裁判。制度をより充実させるためにも、できる限りの改善を続けてほしい。(48歳・教員=徳島県、2010年5月29日掲載)

被告の人生背負う、重い決断

 裁判で陪審員らが意見を決めることの難しさを描いた映画を、授業で見た。優勢な「有罪」側を最後は「無実」側が説得したのだが、現実はこううまくはいかないと思った。話し合っての満場一致は少なく、多数決が多い。有罪か無罪かを決断することは容易ではないだろう。

 裁判員制度で自分が決断する時がくるかもしれない。しっかり事実を見て真実へと判断できるのか。多数決で決まるかもしれない。でも、最後まで被告の人生を背負っているつもりで、考えられるようになりたい。(15歳・中学生=東京都、2017年3月21日掲載)

担当記者から

 裁判員制度ではありませんが、陪審員が主人公の法廷劇の傑作「十二人の怒れる男」は、大好きな作品です。初めて見たとき、司法の重みと希望を感じました。市民が司法に参加することで社会はより良いものになると思っています。裁判員制度の浸透に期待しています。(田渕)

 「ササる投書」を随時掲載します。次回もお楽しみに!

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