警察官かたる詐欺、メール110番システム悪用の新手口…実在アドレスに身分証画像要求し信じ込ませる
2025年5月23日(金)10時4分 読売新聞
静岡県警察本部
警察官をかたる特殊詐欺被害が相次ぐなか、聴覚障害者らがメールで110番するシステムを悪用した新たな詐欺の手口が静岡県内で4件確認された。正規のシステムを使って身分証の画像を送信させることで、本物の警察官が対応していると信じ込ませる狙いがあるとみられる。
県警生活安全企画課によると、メールでの110番への身分証画像の送信は、4月中旬までに県内で4件確認された。
いずれも、警察官を名乗る人物から携帯電話の通話やショートメール(SMS)で指示を受けていた。まず、「あなたが口座開設詐欺に加担した疑いがある」などと連絡があり、その疑いを晴らすために、実在する他府県警の110番システムのメールアドレスに身分証の画像を送信するように求められたという。
さらに、「通信不良で画像が届かない」として、フリーメールのアドレスに再送信するよう指示を受けた後、捜査費用として暗号資産での送金を要求されていたという。
メールを用いた110番の通報システムは、聴覚や言語に障害のある人のために一部の府県警で設置されている。県警生活安全企画課の小林剛仁次席は「警察がメールで身分証の画像送信を求めることは絶対にない。不審な連絡を受けたら家族や警察署に相談してほしい」と話している。