バックで時速70キロ走行し2人死傷、24歳男に懲役12年判決…「危険運転に当たらない」との弁護側主張退ける

2025年5月27日(火)22時34分 読売新聞

大破した事故車両

 熊本市中央区で昨年6月、女性2人が死傷する飲酒運転事故があり、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死傷)などに問われた同区の元ホストクラブ従業員の男(24)の裁判員裁判の判決が27日、熊本地裁であった。中田幹人裁判長は、高速度でのバック走行について「危険運転」と認定し、求刑通り懲役12年の判決を言い渡した。

 判決によると、男は昨年6月15日、酒気を帯びて軽乗用車を運転。追突事故を起こして現場から逃走しようと、時速約70〜74キロでバック走行して、歩いていた2人に衝突し、市職員の横田千尋さん(当時27歳)を死亡させ、もう1人に全治2週間のけがを負わせた。

 公判で弁護側は、危険運転の適用要件の一つである「進行を制御することが困難な高速度」がバックでの走行を含むかどうかに疑問を呈し、今回の事故は危険運転に当たらないと主張していた。判決では、バック走行も含まれるとし、事故時の速度についても「自車を道路の状況に応じて進行させることが困難な速度」と認定。「事故や飲酒運転の発覚を免れようと、無謀な運転に及んだ意思決定は強い非難に値する」とした。

 公判には被害者参加制度を利用し、横田さんの父、邦祐さんが出廷した。閉廷後、代理人弁護士が「(危険運転の認定は)正当なものだと納得しているが、被害者にとっては終わらない事件の一過程に過ぎない。このような事故がなくなるのが一番良い」との邦祐さんの心境を代弁した。

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