告発者の私的情報漏洩、斎藤知事は「指示していない」と辞職否定…第三者委は「知事らの指示の可能性高い」と結論

2025年5月27日(火)21時54分 読売新聞

第三者委員会の調査報告書を受け、取材に応じる斎藤知事(27日午後、兵庫県庁で)=八木良樹

 兵庫県の斎藤元彦知事に関する内部告発問題で、県の第三者委員会(委員長=工藤涼二弁護士)は27日、告発した前県西播磨県民局長の男性職員(昨年7月に死亡)の私的情報を、井ノ本知明・前総務部長(57)が県議3人に漏えいしたと認定し、漏えいは斎藤氏らの指示だった可能性が高いとする調査報告書を公表した。県は同日、井ノ本氏を停職3か月の懲戒処分にした。

 斎藤氏は27日、県庁で記者団に「漏えいの指示をしていない認識に変わりはない」と述べた。一方で、県職員の情報漏えいが認定されたことを受け、自らの給与カットなどの処分を検討する考えを表明した上で辞職については否定した。

 この問題では、週刊文春が昨年7月、井ノ本氏が男性職員の公用パソコンに保存されていた私的情報を県議らに漏えいした疑惑を報じ、県が弁護士3人で構成する第三者委を設置。昨年10月から職員20人を事情聴取するなどして調べていた。

 報告書は、井ノ本氏が昨年4月、県議3人に対して私的情報を印刷した資料を示し、内容の一部を口頭で説明して漏えいしたと認定。目的については、県議3人が「私的情報の暴露で(男性職員の)人格や人間性に疑問を抱かせ、告発文書の信用性を弾劾だんがいする点にあった」と受け止めたことを挙げ、この見方に「一定の説得力がある」と評価した。

 調査に対し、斎藤氏は指示を否定したが、第三者委は、片山安孝・前副知事ら複数の職員の証言に基づき、「知事及び前副知事の指示のもとに行われた可能性が高い」と結論付けた。

 県人事課は27日、斎藤氏の指示については「客観的な判断材料がなく、認定できない」と説明した。

 一方、井ノ本氏は、代理人弁護士を通じて「業務行為が情報漏えいと評価されたもので残念」とコメントを発表。処分に不服を申し立てる意向を示した。

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