手作り麦茶は作り方で保存期間が変わる?

2020年8月13日(木)5時40分 ウェザーニュース


2020/08/13 05:40 ウェザーニュース

猛暑日が連続して身体的にも辛い時期がやってきました。水分を補給するために、麦茶を作ってたっぷり飲むことが増えた、という家庭も多いのではないでしょうか。でも手作り麦茶は作り方によって保存できる期間が変わるので注意が必要だそうです。ウェザーニュースでは家庭で麦茶をどのように作っているのか、アンケート調査を実施しました。

結果は「煮出して急冷する」が30%、「煮出して常温で冷ます」が25%と、煮出しで作っている人が多数派のようです。回答者のコメントをみると「熱湯で殺菌できる」「一度煮出たせると殺菌の効果があるので」といった殺菌効果を期待する声が多くありました。
しかし、一度煮出せば安心、というわけではないようです。詳しい話をエフコープ生活協同組合広報部の大平健太郎さんに伺いました。

3パターンの作り方で検証

一般的に家庭で麦茶を作る場合は、煮出してから水などに入れて急冷する方法(A)と、煮出してから常温で冷ます方法(B)、麦茶パックを入れて水出しで作る方法(C)があります。この3つの方法で作った麦茶がそれぞれどれぐらい保存できるのか、エフコープ生活協同組合商品検査センターが細菌量の変化を検証しています。

「検証結果は、2日目までは3つとも細菌の検出はほとんどなかったのですが、4日目になると煮出して常温で冷ます(B)の細菌が、5日目には水出し(C)の細菌が急増し、それぞれ6日目と9日目に安全に飲める基準値を超えました。これに対し、煮出してから急冷する(A)は9日経過してもほとんど細菌は検出されませんでした」(大平さん)

作り方の違いでどうしてここまで結果が分かれたのでしょうか。
「急激に冷ます(A)に細菌が増殖しにくかったのは、煮出したことで細菌のほとんどが死滅し、その後急冷して冷蔵庫に入れたので、細菌が増殖する時間がなかったためと思われます。
これに対し常温で冷ます(B)は、常温で長時間放置する間に、細菌が増殖しやすい温度(30〜40℃)に下るタイミングがあったからと推測されます。また、水出し(C)の場合は、細菌がいないペットボトルのミネラルウォーターを使ったものの、麦茶パックを入れる際に細菌が混入したからではないでしょうか」(大平さん)

麦茶は作ってから2〜3日で飲み切る

煮出してから急冷する方法で作る麦茶がもっとも長く保存できることが分かりましたが、この検証結果はあくまでも目安だといいます。
「検証結果から、どの方法で作っても5日目までは基準値を超えるほど細菌は増殖せず、また味もさほど変わりませんでした。しかし、各家庭で保存容器や冷蔵庫の使い方などの状況も異なるので、この結果はあくまでも目安です。
麦茶を作ったら熱湯消毒した容器に入れて冷蔵庫で保存すること、一度にあまりたくさんの量を作らずに、2〜3日で飲み切れるだけ作ることがポイントです」(大平さん)
熱中症に注意しなければならない時期が続きますが、十分な水分の摂取が熱中症対策に効果的です。麦茶は身体を冷やし、ほてりを取る効果があるとされる大麦から作られています。また、お茶やコーヒーに含まれるカフェインは利尿作用がありますが、麦茶には含まれていないので脱水にもなりにくいそうです。
麦茶でたっぷり水分補給をして、酷暑を乗り切りましょう。

参考資料など

協力:エフコープ生活協同組合 CHEER!days


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