アイスランド電気通信局が、ETSI規定の方法による国内モバイルネットワーク品質のベンチマーキングをローデ・シュワルツに委託

2024年1月24日(水)15時46分 PR TIMES

評価とベンチマーキング実施に際してローデ・シュワルツを選びました。地理的にも気象面でも厳しい条件にあるアイスランドですが、エンドユーザーのサービス品質(QoS)と体感品質(QoE)の向上につながるものと考えての取組みです。ECOIでは、このベンチマーキング・キャンペーンをローデ・シュワルツのネットワーク分析サービス部門に委託し、欧州電気通信標準化機構(ETSI)が国際標準化した透明性の高いプロセスにもとづくベンチマーキングを本格的に行いました。

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アイスランド政府の規制当局であるFjarskiptastofa(FST、国際的にはElectronic Communications Office of Iceland:ECOIと呼ばれる)は、同国における大規模なモバイルネットワークの品質ベンチマーキング・キャンペーンの実施をローデ・シュワルツに依頼しました。これを受けてローデ・シュワルツのモバイルネットワーク・テストの専門スタッフは、ECOIのためのサービスとして、そのベンチマーキング・プロジェクトを計画・実行しました。収集したデータは、ネットワーク性能スコア(Network Performance Score:NPS)2.0を用いて処理しました。NPSはETSI TR 103 559に準拠の完全トランスペアレントなテスト方法であり、アクティブ・ドライブ・テストとウォーク・テストを通じて、モバイルネットワークのKPIを標準化して比較するものです。

ECOIは、このような大規模ネットワークのベンチマーキング・キャンペーンにNPSを活用した欧州で最初の規制当局の一つとなりました。NPSは、欧州の標準化機構ETSIがETSI TR 103 559として規定する手法にもとづいており、モバイルネットワークのサービス品質とユーザー・エクスペリエンスを国際的に比較・評価可能なものとして業界で認められています。

同プロジェクトは2023年9〜10月の5週間にわたって実施しました。レイキャビクのような大都市から小さな町、へき地の道路までアイスランド島全域のおよそ9,000 kmを巡回しました。さらに、ショッピングセンター内のネットワーク品質も調査し、アイスランド人口の約90%をカバーするものとなりました。このプロジェクトでは、90秒の音声通話のほか、ゲーム・アプリケーションやオンライン会議、ビデオ・チャットといったアプリケーション・レベル・テストを含めて、17,000回以上の通話テストと160,000回を超えるデータテストでの評価を行い、現在の典型的な加入者が経験する品質を調べました。なお、NPSバージョン2.0では、特にアイスランドのように5G技術が広く普及した先進国のネットワークに対して、より達成の困難な閾値と複雑な重み付けを適用しています。

ベンチマーク測定の結果、アイスランドの3事業者(Siminn社・Nova社・Vodafone社)のモバイルネットワークはいずれも700点以上(1000点満点)を獲得し、ヨーロッパの他のモバイルネットワークと同等であることが確認できました。この3社のネットワークはどれも、都市部での5Gカバレッジが非常に良好であり、4Gのカバレッジは国内全域で優れた状態です。音声とデータの両サービスとも信頼性は高いのですが、改善の余地もはっきりしました。実際のドライブ・テストにNPS手法を適用したことで、特に高速道路沿においては他のテスト手法なら見落としていたようなQoE上の問題を検出することができたからです。

ECOIは、アイスランドの通信ネットワークの発展をいっそう推進して、島内の人口の少ない地域でも、どこに住んでいても、すべての人に優れたサービスを提供したいと考えています。そこで、アイスランドのネットワーク事業者3社のベンチマーキングを通じて各社のあいだの健全な競争を促し、最終的にエンドユーザーや企業の利益となるインフラ投資を刺激しようというのです。ECOIでインフラ部門のディレクターを務めるÞorleifur Jonasson氏は次のように説明しています。「私どもECOIは、国際的に認められた基準に深く根ざした方法でのみ、モバイルネットワークの品質を公正かつ公平に評価できるものと考えています。そのため、ローデ・シュワルツと提携して、モバイルネットワーク品質のベンチマーキング・サービスを提供してもらうことにしました。そうして得られたETSI規定のネットワーク性能スコア(NPS)なら、私どもも納得できるからです」。

ローデ・シュワルツのネットワーク分析サービス部門でモバイルネットワーク・テストを担当するディレクターのMaja Miticも次のように話しています。「アイスランドはその広大な国土と厳しい気候から、特に5Gが登場したいま、望みうる最高のネットワーク・カバレッジを提供することが事業者にとって難しい課題となりかねません。そこでECOIは欧州で初めての規制当局としてローデ・シュワルツに委託するかたちで、透明が高く公平な大規模ベンチマーキング・キャンペーンを行い、同国のネットワーク品質とユーザー体験を調査しました。これは、アイスランドのネットワーク事業者間の競争強化を促し、さらなる投資や技術革新、消費者保護を実現するための重要なステップとなったに違いありません」。

ローデ・シュワルツのモバイルネットワーク・テストによるネットワーク分析サービスについて、詳しくは https://www.rohde-schwarz.com/mnt/network-analytics-services をご覧ください。

www.rohde-schwarz.com

お問い合わせ:
欧州(本社):Christian Mokry(電話:+49 89 4129 13052、email:press@rohde-schwarz.com)
北米:Dominique Loberg(電話:+1 503 523-7951、email:Dominique.Loberg@rsa.rohde-schwarz.com)
アジア太平洋地域:Sze Ming Ng(電話:+603 5569 0011、email:press.apac@rohde-schwarz.com)

モバイルネットワークのテストについて
ローデ・シュワルツは、モバイルネットワークの品質を試験・改良するためのスタンドアローン製品や統合ソリューション、ネットワーク分析サービスを提供するグローバルなリーディング企業です。研究室での検証から、スペクトラム・クリアランス、干渉探査、基地局の設置、受入れ試験、ベンチマーキング、最適化、トラブルシューティング、モニタリングまで、モバイルネットワークの全ライフサイクルに対応しています。その総合的な製品ラインナップを通じ、5Gまでのすべての通信技術をサポートするとともに、RFからエンドユーザーの体験品質(QoE)といったあらゆる試験・計測シナリオにお応えしています。ユーザーはこうした革新的なソリューションを使ってデータを収集でき、さらに機械学習を援用してエンドユーザーが感じるQoEについての深い洞察も得られます。ローデ・シュワルツのソリューションは、モバイルネットワーク業界の大手企業が自信をもってQoE重視の経営判断を行えるように、そしてエンドユーザーに向けて高品質でより優れたサービスを提供できるように、さらには新技術や新サービスをより早く市場投入できるようにと、それぞれの事業価値を守り育てられるようにしています。

R&S(R)は、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG.の登録商標です。

すべてのプレスリリースは、画像のダウンロードを含め、http://www.press.rohde-schwarz.com からインターネットでご提供しています。

ローデ・シュワルツについて

ローデ・シュワルツは、電子計測、技術システム、ネットワークおよびサイバーセキュリティの各部門を通じ、より安全に“つながる”社会の実現に向けて努力を重ねています。グローバルな技術指向のグループとして、90年にわたって先端技術の開発を続け技術の限界を押し広げてきました。当社の最新製品やソリューションは、産業界や規制当局および行政機関のお客様がデジタル技術の主権を得るためのお力添えをしています。ドイツ・ミュンヘンを拠点としたプライベートな独立企業であり、長期的かつ持続的な経営を行える体制を構築しています。ローデ・シュワルツは、2022/2023会計年度(昨年7月から本年6月まで)には27.8億ユーロの純収益を上げました。また、2023年6月30日現在、ローデ・シュワルツでは約13,800名の従業員が全世界で活躍しています。

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