同志と切り拓いてきたベンチャー支援の道のり。成長の一体感が仕事の醍醐味

2025年2月6日(木)11時0分 PR TIMES STORY

経済成長のドライバーとして、そして社会課題解決の担い手として期待されるスタートアップやベンチャー企業。近年、国を挙げたエコシステム構築が加速するなど、スタートアップやベンチャー企業を「支援する側」にも注目が集まっています。

SMBCベンチャーキャピタルで投資先の経営支援に取り組む大津 寛淑氏と倉持 栄一郎氏は、ベンチャーキャピタル(VC)やベンチャー支援が注目される以前、1990年代からベンチャー企業と共にキャリアを歩んできました。

ベンチャー支援に対して厳しい目を向けられる時代も共に乗り越えてきた「同志」とも言えるふたりが、これまでのキャリアを振り返りながら、ベンチャー支援におけるSMBCグループの強み、長年ベンチャー支援に取り組んできたからこそ感じる仕事の醍醐味をかたります。

金融機関のネットワークを活かしながら、志を同じくして成長をサポートする

金融機関系VCの老舗として、累計1,000社以上に約730億円の投資を実施(※)。支援企業のうち、累計で400社以上が新規上場を果たしているSMBCベンチャーキャピタル。IT、サービス業を中心に、ライフサイエンス、製造業など幅広い業種の企業に年間100件前後の投資を行っています。

※   SMBCベンチャーキャピタルとなった2010年7月以降の実績

大津と倉持が所属する投資戦略部は、投資先企業の経営支援を行いながら企業価値向上をめざす役割を担います。

倉持 投資営業部と連携しながら、後方支援をするのが私たち。SMBCベンチャーキャピタルは、アーリー、ミドルステージにある企業への投資が多いため、ベンチャー企業が成長に向けて直面するさまざまな課題を解決するサポートをしています。

大津 大企業とのアライアンスやビジネスマッチング、SMBCグループのリソースを活用した業務支援など、金融機関のネットワークを活かしてベンチャー企業の成長をサポートしていくことが投資戦略部のミッションです。

このSMBCグループのネットワークこそ、ベンチャー支援における最大の強み。グループ内の企業はもちろん、大企業、アカデミア、自治体など、金融機関を通じてあらゆるネットワークにアプローチが可能です。

大津 近年は、大企業がオープンイノベーションを推進しているため、スタートアップやベンチャー企業と協業する動きが加速しています。大企業がイグジットの受け皿になることも多く、とくにビジネスマッチングにおいては双方のニーズを把握している金融機関の強みを生かせます。

倉持 ベンチャー側も大企業とのつながりを望む企業が多いのですが、アプローチのための接点を自分たちでつくることは難しいですよね。金融機関は、大企業のさまざまな部署と関わりがあり、どの部署にどんなニーズがあるのかを理解していますから、マッチングができるのです。

銀行員とは違う世界を体験できる。そのおもしろさを感じてキャリアの軸に

SMBCベンチャーキャピタル株式会社 投資戦略部 部長 大津 寛淑氏

大津は1986年に三井住友銀行の前身となる銀行に、倉持は1997年に長期信用銀行のひとつに入行。就職先に金融機関を選んだのは、そのフィールドの広さに惹かれたからでした。

大津 あらゆる産業、あらゆる生活の局面に関われるのが金融機関です。これだけ広いフィールドがあれば、いろいろな可能性や選択肢があると感じました。

倉持 私も同じです。さらに、さまざまな企業の経営者に会える点も魅力でした。若手のうちからそういった環境に身を置くことで成長できるのではないかと考えたのです。

入行後、3つの支店を経験しながらキャリアを歩んでいた大津。思いがけない転機が訪れたのは、1997年のこと。SMBCベンチャーキャピタルへの異動が告げられたのです。

大津 正直、とてもショックでした。まだVCが知られていない時代でしたから、何をするのかもよくわかっていませんでしたし、「この若さで子会社へ行くのか……」と。同僚からも「何かあったのか?」と心配して連絡が来ました(笑)

それでもVCでキャリアを積むと決意した大津は、約10年にわたり投資先の開拓を担当。その後、銀行に戻って国内営業店業務の他ベンチャー支援拠点の開設などに従事し、2020年に再度SMBCベンチャーキャピタルに着任します。

大津 銀行とVCを行き来する中で、VCでの経験が銀行での仕事に役に立ったことがたくさんありました。銀行員では見えなかった世界を経験できたのだと実感しましたね。

倉持は、入行して間もなく所属する銀行の経営状況が悪化。最初の3年間は「お客様に謝り続けていた」と振り返ります。その後、新規顧客を開拓する部署に異動。それが、ベンチャー企業と関わるきっかけとなりました。

倉持 大企業にはすでに他の銀行と取引があるので、相手にされません。そこで、ベンチャー企業に絞ってアプローチを始めたのです。ベンチャー企業への融資は銀行にとってリスクも大きいですが、企業の実態把握力や金融知識も身につきましたし、入行前に思い描いていた「経営者と話ができる」という環境がかなったことが楽しくて。「ベンチャー企業はおもしろいな」と感じました。

もっと多くのベンチャー企業を支援してみたい──その環境を求めて2005年に三井住友銀行へ。以来、融資をメインにベンチャー企業を支援し、2018年からはSMBCベンチャーキャピタルで経営支援に関わるようになります。

倉持 入行した当時は、行内でもベンチャー支援という領域の認知があまりなく、取り組んでいるのは10名ほど。立ち位置を模索しており、部署名も何度か変わっていました。

「お金の話しかしてくれない」。支援企業の言葉で気づいたVCの存在意義

SMBCベンチャーキャピタル株式会社 投資戦略部 副部長 倉持 栄一郎氏

倉持が「ベンチャー支援に対する認知がなかった」と話すように、ベンチャー支援の黎明期からその道を歩んできたふたりには、多くの苦労がありました。

大津 はじめはベンチャー企業の定義もあいまいでしたし、融資と投資の違いを確りとわかっていない。キャピタルゲインを得るには上場実現しかないと、上場していない優良企業に「投資させてもらえないか」と声をかけたこともありました(笑)。リスクをとって投資するからキャピタルゲインを得られるというVCの存在意義を理解するのに、私自身も2年ほどかかりました。

倉持 銀行員の価値観との違いには、私も戸惑いました。銀行員はどうしてもBS(貸借対照表)やPL(損益計算書)に注目してしまうのですが、ベンチャー企業のほとんどは赤字です。そうなると、どこを見て投資の判断をすべきなのかわからない。

しかも、投資をしてすぐに結果が出るわけではありません。当時の銀行は3〜4年で異動することが普通でしたから、その間に結果が出ないビジネスはなかなか理解されませんでした。

そんな中、大津が自身の考え方を変える大きなきっかけとなったのは、あるベンチャー企業との出会いでした。

大津 技術にとても惹かれて、投資家の中でも中心的な役割を果たすリードインベスターとして投資を決めました。しかし、マーケット環境の影響もあり、想定通りにはいかない。毎週のように社長と打ち合わせをしては、資金繰りについて厳しく指摘していました。

するとある日、「大津さんは資金の話しかしない。もっと、どうしたらこの状況を打破し、成長できるのかを考えてほしい」と言われたのです。

グサっときましたね。本来考えるべき、「いかにビジネスを伸ばしていくか」ではなく、「いかに潰さないか」ばかり考えていたことに気づきました。

その後、成長期待を再構築し、多くのVCに声をかけて、なんとか突破口を見つけようと奔走した結果、資金調達に成功、経営者と喜ぶ事が出来ました。残念ながら、結果的にその会社は閉じることになりましたが、「投資家としてできることはやりきった」と振り返ります。

大津 とてもつらい経験でしたが、投資先のビジネスにしっかりと入り込んで支援するというVCの役割を学びました。

一方の倉持に転機が訪れたのは、三井住友銀行入行後。ITバブルにより盛り上がったベンチャー支援の動きが、リーマン・ショックにより急速に縮小したことで、支援活動は停滞。その時間で、企業の実態把握のためのレポート作成をすることになったのです。

倉持 日本には、キラリと光る技術を持ったニッチ産業のトップ企業がたくさんあります。そういった企業の技術の特徴・強み、経営者の事業戦略、市場環境、競合情報などをひたすらレポートにまとめる日々を過ごしました。

でも、何社ものレポートを作成するうちに、会社を見るポイントが身についていきました。あの時期があったから、BS/PLにとらわれずに会社の光る部分を見つける力が鍛えられたと感じます。

企業の成長が自分の成長。自分たちが関わることでビジネスの可能性を広げる

近年は、行政もスタートアップやベンチャー企業の支援に力を入れるなど、VCをはじめとする支援する側の存在が注目される機会も増加。「時代が追いついてきた」と大津は笑います。

世の中の情勢に大きく左右される環境に、銀行内外からの厳しい評価。それらを乗り越えながらベンチャー企業と向き合ってきたふたりだからこそ感じるやりがいがあります。

倉持 私たちが関わることで、ビジネスの可能性がどんどん広がっていくことがあるんです。たとえば、AIを扱っているベンチャー企業を大手自動車メーカーとマッチングした際、想定外の切り口で話が進み、さらに別の企業とのマッチングに展開したことがありました。そうやって、常に新しいものに触れながら自分も勉強できるのがおもしろいですね。

大津 ベンチャー企業の成長が自分の成長につながるという一体感が醍醐味ですよね。銀行員とは違う立場で、経営者の目線に立って一緒にビジネスができる。それが、やりがいです。

ベンチャー企業の可能性と自分の可能性、どちらも広げながらめざすのは、SMBCグループの強みを活かした新たな化学反応です。

大津 ベンチャー企業と大企業がコラボレーションする成功事例を生み出していきたいですね。今はまだきっかけづくりの段階なので、それが当たり前の状態にしていきたいと思っています。

倉持 M&Aなどではなく、同じ目線での協業を進めたいです。ここ数年で、大企業がベンチャー企業と同じ立場に立ち始めたと感じますが、本格的にコラボレーションするのはこれから。その事例に1件でも多く関わっていきたいと考えています。

そして、これからのベンチャー支援を担う世代、キャリアに悩む若い世代への熱い想いをかたります。

倉持 まずは与えられた場で頑張ること。波の浮き沈みはありますが、上昇してきた波に乗るときに、苦しい時期に歯を食いしばって得た知見やネットワークが生かされます。大事なのは、信念を持ち、腐らずに続けていくことです。

大津 決まった未来がないからおもしろいんですよ。私自身、VCに行くのは嫌だったのに、気づけばそこを軸にキャリアを歩んでいる。いま自分が携わっている仕事に力を注げば、いろいろな可能性が出てきて、やりたいことが見つかるかもしれない。だから、目の前の仕事に一生懸命取り組むことが大切なのだと思います。

【プロフィール】

SMBCベンチャーキャピタル株式会社

投資戦略部 部長

大津 寛淑氏

1986年に入行。1997年SMBCベンチャーキャピタルに出向し、投資業務に従事。2006年三井住友銀行に帰任。国内営業、成長企業支援、関西地区での産官学ベンチャーエコシステムの構築などに携わり、2020年SMBCベンチャーキャピタルに再度着任。投資先のバリューアップ支援に従事。20年間にわたり、成長企業支援業務に携わっている。

SMBCベンチャーキャピタル株式会社

投資戦略部 副部長

倉持 栄一郎氏

1997年長期信用銀行に入行。新興企業への融資、グループ会社を活用した投資を多数経験。2005年三井住友銀行入行。以降、一貫してベンチャー企業支援業務を担当し、融資を中心として、大企業とのアライアンス支援等を行う。2018年SMBCベンチャーキャピタルに着任。投資先の経営支援に積極的に関与している。

【SMBCグループ/DX-Link】

SMBCグループはお客さまと社会の課題解決のためのソリューションを

提供するためにデジタルを活用し、外部のパートナー企業とも連携しながら、

金融・非金融の垣根なく、ニーズを先取りしたサービスを提供していくことを

目指しています。

“DX-link(ディークロスリンク)”では、 DXにおけるSMBCのビジョン、

企業のDX推進のためのソリューション、共創パートナー企業との取組、

DXの最新動向などの情報を発信し、業種や地域等の垣根を越えて、

様々な情報やサービス、企業がクロスする場としていきたいと考えています。

皆さまとともに、明日につながる新たな価値を創出できるよう、

SMBCはグループ一丸となってDXの取組を進めてまいります。

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