ライブリバント(R)とラズクルーズ(TM)の併用療法EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺癌においてオシメルチニブを上回る生存期間延長効果を示す
2025年3月28日(金)18時17分 PR TIMES
※本プレスリリースは、3月26日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先されます。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。
https://www.jnj.com/media-center/press-releases/rybrevant-amivantamab-vmjw-plus-lazcluze-lazertinib-outperforms-osimertinib-with-a-significant-and-unprecedented-overall-survival-benefit-in-patients-with-egfr-mutated-non-small-cell-lung-cancer
フランス、パリ、2025年3月26日 - Johnson & Johnson(以下:J&J)は、第III相MARIPOSA試験で得られた、がん治療における最も重要な評価項目である全生存期間(Overall survival: OS)に関する結果を発表しました。ライブリバント(R)(一般名:アミバンタマブ)とラズクルーズ(TM)(一般名:ラゼルチニブ)の併用療法は、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子エクソン19欠失変異(ex19del)又はL858R置換変異を有する切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(Non-Small Cell Lung Cancer:NSCLC)の一次治療において、オシメルチニブと直接比較し、OSを有意に延長することが示されました。OS中央値は、オシメルチニブで観察された中央値3年を1年以上上回ると見込まれ、未到達です。これは、オシメルチニブと比較し、統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるOS改善を示した最初で唯一の試験です。これらの結果は2025年欧州肺癌学会(ELCC)(https://www.esmo.org/meeting-calendar/european-lung-cancer-congress-2025)にてポスター発表されました(抄録番号40)[1]。
同試験の治験責任医師で、Institute CurieのHead of Medical Oncologyであり、Paris Saclay University(フランス)のThoracic Oncology and Respiratory Medicineの教授であるNicolas Girard*, M.D., Ph.D.は次のように述べています。「生存曲線からは、ライブリバントとラズクルーズの併用療法が生存期間を延長しており、その延長効果は、経過とともに大きくなっていることが明らかです。そして、生存曲線間の差は広がり続けており、これはまさに私たちが期待していた、患者さんのアウトカムを改善する治療と言えます。これらの結果は、私たちがEGFR遺伝子変異を有するNSCLCの治療において、新たな時代に入ったことを物語っています。このエビデンスを基に、私たちはすべての患者さんが一次治療において最も効果的な治療を受け、延命の可能性を最大限に高めていく必要があると考えています」
無増悪生存期間(Progression-free survival: PFS)は、がんの進行が治療によって抑えられている期間を評価するというものです。一方OSは、PFSとは異なり、治療開始からどのぐらい延命できるかという、治療が与える影響において最も意味のある指標です。
追跡期間中央値37.8ヵ月の時点で、化学療法を用いないライブリバント(R)とラズクルーズ(TM)の併用療法群は、オシメルチニブ群と比較して、一次治療におけるOSを有意に延長しました(ハザード比:0.75、95%信頼区間:0.61〜0.92、P <0.005)。ライブリバント(R)とラズクルーズ(TM)の併用療法のOS中央値は未到達であることから、生存期間延長効果は、観察された追跡期間を超えて持続していることが示唆されています(未達成[NR]、95%信頼区間:42.9〜NR)。一方、オシメルチニブ群のOS中央値は36.7ヵ月(95% 信頼区間:33.4〜41.0)であり、オシメルチニブを用いた過去の試験と一貫していました。3年半の時点での生存率は、ライブリバント(R)とラズクルーズ(TM)併用療法群が56%であるのに対し、オシメルチニブ群では44%でした。これら生存データからは、ライブリバント(R)とラズクルーズ(TM)の併用療法により、OS中央値が、オシメルチニブと比較して少なくとも12ヵ月延長する可能性が示唆されています[1]。
また、ライブリバント(R)とラズクルーズ(TM)の併用療法群はオシメルチニブ群と比較し、複数の副次評価項目(頭蓋内PFS、頭蓋内病勢進行までの期間、頭蓋内全奏効率など)を延長しました。特にライブリバント(R)とラズクルーズ(TM)の併用療法群では、無作為化から肺がんに伴う症状出現までの時間である無症候性進行期間(TTSP)を、オシメルチニブと比較して14ヵ月以上延長しました(併用療法群43.6ヵ月、オシメルチニブ群29.3ヵ月、ハザード比:0.69、95%信頼区間:0.57〜0.83、名目上のP 値<0.001)。これは患者さん中心の重要な指標であり、肺がんに伴う症状が出現するまでの期間を示すものです[1]。
Johnson & Johnson Innovative MedicineのVice President兼Lung Cancer Disease Area Stronghold LeaderであるJoshua Bauml, M.D.は次のように述べています。「現在、EGFR陽性のNSCLC患者さんの5年生存率はわずか20%です。MARIPOSA試験の結果は、ライブリバントとラズクルーズの併用療法が、長年改善することが難しかったこの厳しい状況を変える可能性があることを示唆しています。またこの併用療法は、生存期間を延長させるだけでなく、患者さんに新たな希望を与えてくれます。一次治療としてライブリバントとラズクルーズの併用療法を用いることで、化学療法をその後の治療選択肢として残し、患者さんやそのご家族により多くの時間をもたらすことが期待できます」
ライブリバント(R)とラズクルーズ(TM)の併用療法の安全性プロファイルは主要解析の結果と一貫しており、有害事象(Adverse event: AE)の発現率は他のライブリバント(R)のレジメンと同程度でした。追加の長期追跡調査でも、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。ほとんどのAEは、ライブリバント(R)とラズクルーズ(TM)の併用療法の投与初期に発現しました[1]。ライブリバント(R)に関する研究結果から、ライブリバント(R)とラズクルーズ(TM)の併用療法による治療開始から最初の4ヵ月間に予防的措置を講じることで、静脈血栓塞栓症のリスクが減少する可能性があることが示唆されています。また予防的措置により、皮膚障害、infusion reactionのリスク軽減も見込まれています[2][3][4]。
MARIPOSA試験は2023年10月に主要評価項目を達成し(https://www.jnj.com/media-center/press-releases/landmark-phase-3-mariposa-study-shows-rybrevant-amivantamab-vmjw-plus-lazertinib-resulted-in-30-percent-reduction-in-risk-of-disease-progression-or-death-compared-to-osimertinib-in-patients-with-egfr-mutated-non-small-cell-lung-cancer)、オシメルチニブと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるPFS改善を示しました。
ライブリバント(R)とラズクルーズ(TM)の併用療法は、EGFR遺伝子変異を有するNSCLCの一次治療として、米国、欧州ほか、その他の複数の国や地域において承認を取得しています。これらのOSに関する結果は、各国の規制当局にも共有されます。
MARIPOSA試験について
MARIPOSA試験(NCT04487080(https://clinicaltrials.gov/study/NCT04487080))は、EGFRエクソン19欠失変異又はエクソン21のL858R置換変異を有する局所進行性又は転移性NSCLC患者さんの一次治療において、ライブリバント(R)とラズクルーズ(TM)との併用療法を、オシメルチニブ単剤療法もしくはラズクルーズ(TM)単剤療法と比較評価する、無作為化、第III相試験であり、1,074人の患者さんが登録されています。本試験の主要評価項目は、盲検下独立中央評価により評価したPFS(RECIST v1.1ガイドライン**に基づく)です。副次評価項目は、OS、全奏効率、病勢進行までの期間、最初のランダム化から後治療後の病勢進行又は死亡までの期間(PFS2)、頭蓋内PFSなどです[5]。
ライブリバント(R)について
ライブリバント(R)は、EGFR及びMETを標的とし、免疫細胞を介した作用もある完全ヒト型二重特異性抗体であり、米国食品医薬品局(FDA)が承認した検査によりEGFR遺伝子エクソン20挿入変異が検出された局所進行性又は転移性NSCLC成人患者さんにおいて、プラチナ製剤による化学療法の実施中又は実施後に病勢が進行した場合の単剤療法として、米国(https://www.jnj.com/media-center/press-releases/rybrevanttm-amivantamab-vmjw-receives-fda-approval-as-the-first-targeted-treatment-for-patients-with-non-small-cell-lung-cancer-with-egfr-exon-20-insertion-mutations)、欧州(https://s203.q4cdn.com/636242992/files/doc_news/2024/Jun/28/j-j-emea-papillon-ec-press-release_final-cp-458574-280624.pdf)のほか、その他の複数の国や地域において承認を取得しています[6]。
ライブリバント(R)は、FDAが承認した検査によりEGFR遺伝子エクソン20挿入変異が検出された局所進行性又は転移性NSCLC成人患者さんの一次治療として、化学療法(カルボプラチン及びペメトレキセドナトリウム)との併用について、米国(https://www.jnj.com/media-center/press-releases/rybrevant-amivantamab-vmjw-plus-lazcluze-lazertinib-approved-in-the-u-s-as-a-first-line-chemotherapy-free-treatment-for-patients-with-egfr-mutated-advanced-lung-cancer)、欧州(https://www.jnj.com/media-center/press-releases/european-commission-approves-lazcluze-lazertinib-in-combination-with-rybrevant-amivantamab-for-the-first-line-treatment-of-patients-with-egfr-mutated-advanced-non-small-cell-lung-cancer)のほか、その他の複数の国や地域において承認を取得しています。
ライブリバント(R)は、FDAが承認した検査によりEGFR遺伝子エクソン19欠失変異又はエクソン21のL858R置換変異が検出された局所進行性又は転移性NSCLC成人患者さんの一次治療として、ラズクルーズ(TM)との併用について、米国や欧州のほか、その他の複数の国や地域において承認を取得しています。
ライブリバント(R)は、EGFR遺伝子エクソン19欠失変異又はL858R置換変異を有する局所進行性又は転移性NSCLC成人患者さんにおいて、EGFR TKIによる治療の実施中又は実施後に病勢が進行した場合の治療として、化学療法(カルボプラチン及びペメトレキセドナトリウム)との併用について、米国(https://www.jnj.com/media-center/press-releases/rybrevant-amivantamab-vmjw-plus-standard-of-care-approved-in-the-u-s-as-first-and-only-targeted-regimen-to-cut-risk-of-disease-progression-by-more-than-half-in-second-line-egfr-mutated-advanced-lung-cancer)、欧州(https://www.jnj.com/media-center/press-releases/european-commission-approves-rybrevant-amivantamab-in-combination-with-chemotherapy-for-the-treatment-of-adult-patients-with-advanced-egfr-mutated-non-small-cell-lung-cancer-after-failure-of-prior-therapy)のほか、その他の複数の国や地域において承認を取得しています。
2025年2月、欧州医薬品庁の医薬品委員会(CHMP)は、欧州においてEGFR遺伝子エクソン19欠失変異又はエクソン21 L858R置換変異を有する進行性NSCLCの成人患者さんの一次治療として、ライブリバント(R)皮下投与製剤とラズクルーズ(TM)の併用療法を承認勧告しました(https://www.jnj.com/media-center/press-releases/chmp-recommends-subcutaneous-rybrevant-amivantamab-for-the-treatment-of-patients-with-advanced-egfr-mutated-non-small-cell-lung-cancer)。また、プラチナベースでの治療が奏効しなかった後、活性化EGFRエクソン20挿入変異を有する進行性NSCLCの成人患者さんに対し、ライブリバント(R)皮下投与製剤の単剤療法についても承認勧告を行いました。
なお日本国内では、ライブリバント(R)は化学療法(カルボプラチン及びペメトレキセドナトリウム)との併用療法について、EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌を効能又は効果として承認を取得し、2024年11月に発売されています。
National Comprehensive Cancer Network(R)(NCCN(R))のNSCLCに対するClinical Practice Guidelines in Oncology(NCCN Guidelines(R))は、EGFR遺伝子エクソン20挿入変異の検出方法として、ポリメラーゼ連鎖反応法を用いた方法よりも、次世代シーケンシングを用いた方法を推奨しています。NCCN Guidelinesには以下が含まれています。
- アミバンタマブ(ライブリバント(R))とラゼルチニブ(ラズクルーズ(TM))の併用療法は、EGFR遺伝子エクソン19欠失変異又はエクソン21の L858R置換変異を有する局所進行性又は転移性NSCLCに対する一次治療として、カテゴリー1で推奨[7]†‡
- アミバンタマブ(ライブリバント(R))と化学療法との併用療法は、オシメルチニブによる治療後に病勢進行したEGFR遺伝子エクソン19欠失変異又はエクソン21の L858R置換変異を有する局所進行性又は転移性NSCLCに対し、カテゴリー1で推奨[4]†‡
- アミバンタマブ(ライブリバント(R))と化学療法との併用療法は、新たに診断されたEGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の進行性NSCLCに対する一次治療として、カテゴリー1で推奨[4]†‡
- アミバンタマブ(ライブリバント(R))は、免疫療法の使用有無を問わず、プラチナ製剤をベースとする化学療法の実施中又は実施後に病勢進行したEGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性のNSCLCに対し、カテゴリー2で推奨[4]†‡
ライブリバント(R)は、MARIPOSA試験に加え、NSCLCを対象に複数の臨床試験が行われています。
- 第III相MARIPOSA-2 試験(NCT04988295(https://clinicaltrials.gov/study/NCT04988295)):オシメルチニブによる治療中又は治療後に病勢進行したEGFR遺伝子エクソン19欠失変異又はエクソン21の L858R置換変異を有する局所進行性又は転移性NSCLCを対象として、ライブリバント(R)(ラズクルーズ(TM)との併用及び非併用)とカルボプラチン+ペメトレキセドを併用した場合の有効性を、カルボプラチン+ペメトレキセドと比較する試験[8]。日本国内においては未承認。
- 第III相PAPILLON 試験(NCT04538664(https://clinicaltrials.gov/study/NCT04538664)):EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の進行性又は転移性のNSCLCを対象として、ライブリバント(R)と化学療法(カルボプラチン及びペメトレキセドナトリウム)の併用療法を、化学療法と比較評価する試験[9]。
- 第III相PALOMA-3試験(NCT05388669(https://clinicaltrials.gov/study/NCT05388669)):EGFR遺伝子変異を有する進行性又は転移性NSCLCを対象として、ラズクルーズ(TM)とライブリバント(R)皮下投与製剤の併用療法とライブリバント(R)静脈内投与とを比較評価する試験[10]。日本国内においては未承認。
- 第II相PALOMA-2試験(NCT05498428(https://clinicaltrials.gov/study/NCT05498428)):EGFR遺伝子変異を有するNSCLCを含む進行性又は転移性固形がんを対象として、ライブリバント(R)皮下投与製剤を評価する試験[11]。日本国内においては未承認。
- 第I相PALOMA試験(NCT04606381(https://clinicaltrials.gov/study/NCT04606381)):安全性及び薬物動態に基づいたライブリバント(R)皮下投与製剤の投与可能性を評価し、投与量、投与レジメン及び薬剤組成を決定するための試験[12]。日本国内においては未承認。
- 第I相CHRYSALIS試験(NCT02609776(https://clinicaltrials.gov/study/NCT02609776)):進行性NSCLCを対象として、ライブリバント(R)について評価する試験[13]。日本国内においては未承認。
- 第I/Ib CHRYSALIS-2試験(NCT04077463(https://www.clinicaltrials.gov/study/NCT04077463)):EGFR遺伝子変異を有する進行性NSCLCを対象として、ライブリバント(R)とラズクルーズ(TM)の併用療法及びラズクルーズ(TM)単剤療法を評価する試験[14]。ラズクルーズ単剤療法は、日本国内においては未承認。
- 第I/II相METalmark(NCT05488314(https://clinicaltrials.gov/study/NCT05488314)):局所進行性又は転移性NSCLCを対象として、ライブリバント(R)とcapmatinibの併用療法を評価する試験[15]。日本国内においては未承認。
- 第I/II相SwalloWTail (NCT06532032(https://www.clinicaltrials.gov/study/NCT06532032?term=Swallowtail&intr=amivantamab&rank=1)):転移性NSCLCを対象として、ライブリバント(R)とドセタキセルの併用療法を評価する試験[16]。ライブリバント(R)とドセタキセル併用療法は、日本国内においては未承認。
- 第I/II相PolyDamas (NCT05908734(https://www.clinicaltrials.gov/study/NCT05908734?term=polydamas&rank=1)):EGFR遺伝子変異を有する局所進行性又は転移性NSCLCを対象として、ライブリバント(R)とcetrelimabの併用療法を評価する試験[17]。日本国内においては未承認。
- 第II相SKIPPirr (NCT05663866(https://clinicaltrials.gov/study/NCT05663866)):再発又は難治性のEGFR変異を有する進行性又は転移性NSCLCを対象として、ライブリバント(R)とラズクルーズ(TM)併用療法初回投与時の注入に伴う反応の発現率及び/又は重症度を低減する方法を探索する試験[18]。日本国内においては未承認。
- 第II相COPERNICUS (NCT06667076(https://clinicaltrials.gov/study/NCT06667076)):ライブリバント(R)皮下投与製剤をラズクルーズ(TM)又は化学療法と併用して治療されたEGFR遺伝子変異を有するNSCLCの米国の患者さんを対象に行われる、治療薬投与及び予防的支持療法の組み合わせに関する研究[19]。日本国内においては未承認。
- 第II相COCOON (NCT06120140(https://clinicaltrials.gov/study/NCT06120140)) :EGFR遺伝子変異を有する進行性NSCLCに対する一次治療として、ライブリバント(R)とラズクルーズ(TM)の併用療法を行う際、積極的に行われる皮膚障害管理レジメンの有効性を評価する試験[20]。日本国内においては未承認。
ラズクルーズ(TM)について
ラズクルーズ(TM)は、変異がない野生型のEGFRは標的とせず、T790M変異と活性化EGFR変異の両方を標的とする、経口第3世代のEGFR TKIです。第III相LASER301試験におけるラズクルーズ(TM)単剤療法の有効性及び安全性の解析結果は、2023年に The Journal of Clinical Oncology(https://ascopubs.org/doi/10.1200/JCO.23.00515) で発表されました。2018年、ヤンセン・バイオテック社はYuhan Corporationと、ラズクルーズ(TM)(韓国ではLECLAZAとして販売)の開発に関するライセンス契約および業務提携契約を締結しました[21]。
非小細胞肺がん(NSCLC)について
世界的に見て肺がんは最もよく知られているがんの1つであり、すべての肺がんのうちNSCLCは80〜85%を占めます[22],[23]。NSCLCの主なサブタイプには、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんがあります[24]。NSCLCにおける最も一般的なドライバー遺伝子変異は、細胞の増殖や分裂をコントロールする受容体型チロシンキナーゼであるEGFR遺伝子の変異です[25]。組織学的サブタイプが腺がんであるNSCLCの場合、欧米人患者さんの10〜15%、アジア人患者さんの40〜50%にEGFR遺伝子変異が認められます[22],[23],[26],[27],[28],[29] 。EGFR遺伝子エクソン19欠失変異又はEGFR遺伝子L858R変異は、EGFR遺伝子変異の中で最も一般的な変異です[30]。EGFR遺伝子変異を有する進行性NSCLC患者さんでEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の治療歴のある患者さんの5年生存率は20%未満です[31],[32]。EGFR遺伝子エクソン20挿入変異は、3番目に多いEGFR遺伝子を活性化する変異です[33]。実臨床におけるEGFR遺伝子エクソン20挿入変異を有する患者さんの5年生存率は8%であり、EGFR遺伝子エクソン19欠失変異又はEGFR遺伝子L858R置換変異を有する患者さんの19%と比べ低い値となっています[34]。
用語の説明、参考文献は、プレスリリースをダウンロードいただき、ご確認をよろしくお願いいたします。