【阪神】延長10回、大山悠輔が自身最遅1号で決着!20戦85打席目
2025年4月24日(木)5時0分 スポーツ報知
阪神・大山悠輔
◆JERAセ・リーグ DeNA2−3阪神=延長10回=(23日・横浜スタジアム)
虎党が待ち焦がれた瞬間だった。阪神・大山悠輔内野手(30)は両手に残った心地いい感触に浸ることなく、表情を変えずにダイヤモンドを一周した。「ここまでチームのみんなに助けられてきていた。今度は自分がチームを助ける番になりたいと思っていた」。ヒーローインタビューでかみしめるように口にした。
2—2の延長10回1死だった。DeNA・山崎の直球を左翼席へ運ぶ勝ち越しソロ。今季20戦目、85打席目で今季1号だ。いずれも自身最遅の一発で今季3度目の延長戦に決着をつけた。「狙い球もスコアラーさんと話して準備ができていた。準備の大切さを改めて感じた」。主砲が普段から口にする「準備」の成果をここ一番で発揮した。
自身の名誉より勝利を重視。だからこの日は「チームが勝ったことが一番」と何度も繰り返した。春季キャンプでは巨人から加入した同学年・畠にチーム内の決まり事を丁寧に説明。朝一番からウェートルームにこもり、誰よりも汗を流した。そんな姿を見ているから、仲間は手荒い祝福で喜んでくれた。
チームは23年8月以来の敵地7連勝。3連勝で今季最多の貯金3に増やした。中継ぎ陣も粘ってつかんだ白星に藤川監督は「チームを一つにまとめているという意味では、非常に全体としては粘り強いいいゲームができた」とうなずいた。指揮官が「いつか打つってそんなもん」と全幅の信頼を置く主砲。価値ある1勝に、いつもより少しだけ柔らかい表情で帰路についた。(直川 響)