巨人68年ぶりの屈辱 阿部監督「先取点を与えるとうちは弱いっていうデータが出ているから」阪神に開幕4戦4敗
2025年4月26日(土)5時0分 スポーツ報知
ベンチから厳しい表情で戦況を見守る阿部監督(中央)、選手、コーチ陣ら(カメラ・小林 泰斗)
◆JERA セ・リーグ 阪神4—1巨人(25日・甲子園)
巨人が今季初の甲子園で阪神に敗れ、連勝は2で止まった。先発の赤星優志投手(25)が3回に佐藤輝に8号3ランを浴びるなど、4回4失点で3敗目。左手親指負傷から10試合ぶりにトレイ・キャベッジ外野手(27)が復帰した打線は、6回に奪った1点のみで、先発の村上に今季2戦2敗となった。阪神に開幕4戦4敗は1957年以来、68年ぶりの屈辱。2戦目で流れを変えたい。
序盤の4失点が重くのしかかった。9回2死、キャベッジが岩崎の高め直球で空振り三振に倒れてゲームセット。甲子園に阪神ファンの大歓声が響く中、三塁ベンチ裏に引き揚げた阿部監督は「先取点を与えた時点でね、うちは弱いっていうデータが出ているから。そこだよね」と劣勢の試合展開を振り返った。連勝は2でストップ。開幕から阪神に4戦4敗は球団68年ぶりとなった。
4日からの東京D3連戦で3連敗した藤川阪神との伝統の一戦。「やり返すチャンスが来た」と意気込んでいた阿部監督を筆頭に全員が雪辱に燃えていた。だが相手も連勝中で勢いがあった。初回、先発の赤星が大山に右前適時打を許し、3回は佐藤輝に中越え3ランを浴びた。この試合を含め今季は先制されると2勝9敗1分け。敵地で主導権を握られた。
対阪神は23年に6勝18敗1分けと大きく負け越したが、阿部監督就任1年目の昨年は12勝12敗1分けと五分で競り合ってリーグ優勝した。一掃したはずの苦手意識。このままズルズルいくわけにはいかない。前回巨人がタイガースに開幕4戦4敗した1957年は5戦目で勝利し、シーズン対戦成績14勝11敗1分けと勝ち越してリーグ優勝につなげた。「とにかくタイガース戦の連敗を止めないといけないからね」。流れを変える1勝をつかみたい。
この日で6試合連続1、2番コンビとなった泉口と若林はともに2安打と好調維持。4回4失点で降板した赤星からバトンを受けたリリーフ陣は無失点でつないだ。「悪いところばかりじゃなかったから。いいところも結構あったし」とプラス要素も強調した。
キャベッジが左手親指痛による登録抹消から最短10日間で復帰して「7番・右翼」に入って厚みが増したのも明るい材料だ。4打数無安打だった助っ人は、8回1失点に抑えられて今季2度目の対戦で2敗目を喫した村上について「すごい良いコントロールの持ち主だと思います」とたたえ、「全体的にボールは見えていた。チームの勝利に貢献することだけ考えます」と開幕直後のように再び打線を引っ張る決意を示した。
敗れたとはいえ、まだ12勝10敗1分けで貯金2。「明日切り替えて頑張ります」と阿部監督は前を向いた。今季の巨人は先行すれば10勝1敗。阪神戦初勝利へ先取点がポイントになる。(片岡 優帆)
◆1957年の巨人 水原円裕(茂)監督の8年目。4番・川上哲治を軸に宮本敏雄、与那嶺要らが主軸を形成し、与那嶺は2年連続首位打者でMVPに輝いた。投手は藤田元司、別所毅彦、堀内庄、木戸美摸が2ケタ勝利。大阪タイガースや中日を退けてリーグ3連覇を果たしたが、日本シリーズでは稲尾和久擁する西鉄に1分け4敗で敗れた。翌58年には立大から長嶋茂雄が入団する。