巨人・阿部監督「野球って怖いな」相手の好守備で流れ一変 明暗分かれた8回の攻防「もうあそこが全てだった」…阪神に開幕5連敗

2025年4月27日(日)5時0分 スポーツ報知

8回1死二、三塁、打たれた田中瑛に交代を告げ、マウンド上で渋い表情の阿部監督(左から2人目)。拙守でピンチをつくった(右から)泉口、門脇も厳しい表情を見せる(左端は甲斐=カメラ・義村 治子)

◆JERA セ・リーグ 阪神6—2巨人(26日・甲子園)

 巨人が阪神に競り負け、対戦成績が1948年以来77年ぶりの開幕5連敗となった。2—2で迎えた8回1死満塁、キャベッジの放った痛烈なライナーは遊撃手・小幡の好捕にあって勝ち越しを阻まれると、その裏に田中瑛が味方の失策も絡んで決勝点を献上。阿部慎之助監督(46)は明暗が分かれた8回を「あそこが全て」と悔やんだ。3戦目では今季3度目の同一カード3連敗を阻止するとともに、首位・阪神戦で1つ取り返して負の流れを断ちたい。

 勝利への希望がスーパープレーに阻まれた。2—2の8回1死満塁、キャベッジが及川から三遊間に強烈なライナーを放ったが、前進守備の遊撃・小幡が横っ飛び。グラブの先でダイビングキャッチされた。運にも見放され、この回が無得点に終わると、イニング間に阪神ファンが「小幡」コールの大合唱。それほど価値ある好守備だった。絶好の勝ち越し機を逃し、流れは一気に相手に傾いた。

 阿部監督「もうあそこが全てだった。あそこで点取れなかったらもう、ほぼ、イコール負けみたいなね、流れになっちゃったよね」

 直後の8回、4番手で田中瑛が登板。杉内投手チーフコーチは「勝ち越せば大勢なんですけど、瑛斗もずっと状態が良かったので」と延長戦も見据えて大勢は使わず、試合前の時点で今季9登板1失点、チーム2位の5ホールドの右腕に託した。1死から森下の高いバウンドのゴロに三塁・門脇が果敢に前進も捕球できず、内野安打とバックアップした遊撃・泉口の一塁悪送球で二進を許した。このプレーからピンチとなり、2度の申告敬遠も及ばず4失点。結果的に両軍の守備が勝負の明暗を分けた。

 初回は泉口、若林の1、2番が連打。鮮やかなヒットエンドランも決まり初対戦のデュプランティエから1点先取した。先制すれば10勝1敗だったが、阪神も粘り強かった。先発・石川は4回56球3安打1失点の好投。阿部監督は「いつもあの球数になってくると急に落ちたりしてくるので。代え時だなと思って」と2—1の5回の攻撃で代打を送った。2死満塁、吉川の右中間の大飛球を右翼・森下に好捕され、直後に今季初登板で来日初救援の2番手グリフィンが1失点して同点に追いつかれた。ここでも阪神に守備から攻撃への好循環をつくられた。

 前日25日は一塁・大城卓の失策が追加点につながって敗戦。この日は三塁での出場が続いていた岡本を一塁、14試合ぶりスタメンの門脇を三塁に入れ、守備力の高い布陣で臨んだが、状況は好転しなかった。要所で阪神の好守備が光り、甲子園の空気が一変した試合展開に阿部監督も「野球って怖いな」と受け止めた。

 開幕から阪神戦5戦5敗は77年ぶりの屈辱。この5試合は計8得点、打率1割9分と攻撃陣が阪神投手陣に抑えられているだけに、まずは投手を含めた守りから流れをつかみたい。「明日も総力戦で。必ず勝って帰りたいと思います」。27日は堀田が今季初先発。全員で待望の1勝をつかみにいく。まだ貯金1。焦る時期ではないが踏ん張りどころだ。(片岡 優帆)

◆記録メモ 敬遠の直後被打率5割

 巨人は阪神戦に初戦から5連敗。このカードで開幕5連敗以上は、03年の5連敗以来5度目だが、引き分けを含まず5試合以上で全敗は、37年秋と48年に次ぎ77年ぶり3度目。50年の2リーグ制後では初めてだ。

 同点で迎えた8回、巨人は佐藤輝を申告敬遠で歩かせた後、大山に勝ち越し二塁打を献上。続く前川を再び申告敬遠で満塁として、坂本に手痛い2点二塁打を浴びた。阪神戦で1イニングに2人を敬遠したのは、02年5月10日の5回以来、23年ぶりだった。

 今年の巨人が敬遠策をとったのは、この日の2人を加えて9度目。次打者の打撃結果を見ると(×…凡打、K…三振、D…死球)×[安]×KD[安]×[二][二]の8打数4安打になる。一方、巨人打者は8回に甲斐が歩かされた後、キャベッジが遊直。今年は敬遠後の4人に××××と安打が1本もないだけに、明暗が分かれている。(阿部 大和)

スポーツ報知

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