吉田義男さん追悼試合は紙一重の攻防 1点差負けの阪神・藤川監督「一本出るか出ないか。その勝負」

2025年4月28日(月)5時15分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 阪神1—2巨人(2025年4月27日 甲子園)

 阪神は27日の巨人戦に1—2で敗れ、連勝は6で止まった。1985年に監督として球団史上初の日本一に導き、2月3日に脳梗塞のため91歳で亡くなった吉田義男さんの追悼試合として行われた一戦。チーム全員が故人の背番号で球団の永久欠番「23」をつけてプレーした。9回に相手守護神のマルティネスを追い詰めたものの、1リーグ時代の1937年秋以来88年ぶりとなる巨人戦の開幕6戦6勝を、あと一歩で逃した。

 レジェンドの追悼試合で、簡単に負けるわけにはいかなかった。守護神・岩崎が同点の9回に1点を勝ち越された直後、最大限の抵抗を見せた。巨人移籍後初対戦となった通算173セーブのマルティネスに絡みつく。先頭の代打・木浪が154キロをはじき返して右翼線へ二塁打。これを足がかりに、1死三塁の好機をつくった。

 代打・渡辺の遊ゴロは、前進守備を敷く泉口の正面に飛んだ。木浪の代走で出ていた植田が、ヘッドスライディングで本塁を突く。しかし、ドンピシャのストライク送球に阻まれた。少しでもそれていたら判定が変わった可能性がある際どいプレーをものにできず、同点機がついえた。ギャンブルスタートのサインで突進した植田は「良いボールが来たので難しかった」と唇をかんだ。

 2月3日に亡くなった吉田元監督に哀悼の意を示し、チーム全員が故人の現役時代の背番号で球団の永久欠番「23」の特別ユニホームで戦った。甲子園には半旗が掲げられ、試合前には大型ビジョンに「今牛若丸」の異名を取った在りし日の姿が流れた。喪章を付け、黙とうもささげた。初代日本一監督でもある偉大なOBのために、一丸で勝利をもぎ取りたい一戦だった。

 「出るところでしっかり活躍することが自分の役割。先頭で出られたことは良かった」

 吉田さんと同じ遊撃手の木浪は、この試合の重みを踏まえた上でそう語った。19日広島戦で3失策を犯してから7試合連続でスタメンから外れた。その間、複雑な気持ちを表に出さず、代名詞でもある練習の虫であり続けた。23年5月3日にサヨナラ打を放っているマルティネスを捉え、出場6試合、17打席ぶりの安打で意地を見せた。

 結果的に打線がつながらず、1点差で敗れた藤川監督は「どの試合も、そのタイミング(チャンス)で一本出るか出ないか。両チームともですね。その勝負をしているので」と振り返った。紙一重の攻防を落とし、連勝は6、開幕から続いたこのカードの連勝は5で止まった。小休止を挟み、29日から敵地で中日と激突する。 (倉世古 洋平)

スポーツニッポン

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