出場機会激減でも腐らない 巨人・岸田行倫を奮い立たせてきた阿部監督からのメッセージ

2025年4月28日(月)6時0分 スポーツ報知

9回1死三塁、代打・岸田が左前に勝ち越し打を放つ

◆JERA セ・リーグ 阪神1—2巨人(27日・甲子園)

 執念だった。岸田が魂のひと振りで勝利を呼び込んだ。同点の9回1死三塁に代打で登場。カウント2—2から岩崎の真ん中高め144キロ直球に短く持ったバットで食らいつき、前進守備の三遊間を破った。今季初打点が値千金の決勝打。「何でもいいので前に飛ばそうと思っていた。ヒットになって本当にうれしかったです」。一塁上でガッツポーズを繰り出し、雄たけびを上げた。

 どんな状況でもぶれなかった。「悔しい気持ちはありますけど、腐らずにやることは当たり前のことだと思う」。昨季はキャリアハイを大幅に更新し、捕手としてはチーム最多72試合に先発出場。しかし、今季はFAで甲斐が加入し、出場機会が激減した。スタメンの機会はなし。出番が限られる中で指揮官の教えは貫き続けてきた。阿部監督からファーム時代にかけられた「キャッチャーは一人だけ違う方向を向いて守るポジション。だから練習からも、どんな時であっても見られている意識を持ってやれ」という言葉だ。いい時も悪い時も、試合に出ていなくても、堂々と振る舞うことは決して忘れなかった。今季、出場6試合目の8打席目での初タイムリー。やっとやっと報われた。

 今オフは単独で自主トレ。「楽しようと思ったら楽できる中で、自分にプレッシャーをかけてやることが僕はいいなと思った」と己と向き合い、緊迫した場面で最高の結果を出した。「ホッとした気持ちもありますし、自信にして与えられたところで頑張りたい」。ひたむきな男の一打がチームを救った。(宮内 孝太)

スポーツ報知

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