実質賃金、国際比較しやすく…「帰属家賃」含めて算出した数字を新たに併記へ

2025年4月18日(金)16時0分 読売新聞

厚生労働省

 政府は、物価の変動を反映した「実質賃金」について、5月から国際比較が可能な数字を併記して公表する方針を固めた。18日に開く有識者検討会で内閣府や総務省などを交えて議論し、5月に公表する3月分から実施する。

 厚生労働省が毎月勤労統計で公表する実質賃金は、実際の支給額(名目賃金)から総務省が公表する消費者物価指数を差し引いて算出する。物価変動分を差し引くことで労働者が購入できるモノやサービスの量が示される。

 現在は、実質賃金を算出する際、持ち家の人が自分の家に家賃を払っていると仮定して算出する「帰属家賃」を除いた消費者物価指数(総合)を差し引いている。5月からは帰属家賃を含む総合で算出した実質賃金も併記する。米国やドイツは帰属家賃を含めた総合で算出しているほか、英国は併記しており、国際比較がしやすくなる。過去分もさかのぼって算出する。

 ただ、帰属家賃を含めた総合で算出すると実質賃金が高めに出るため、当面は併記して発表する。今年1月の実質賃金(速報値)は1・8%減だったが、内閣府が新たな基準で試算すると1・2%減となり、0・6ポイント押し上げられた。

 日本銀行の物価安定目標や政府の経済見通しで示す消費者物価も帰属家賃を含めた総合で算出しており、政府の経済財政諮問会議でも「国際比較できる統計情報の整備が重要だ」との意見が出ていた。

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