【だから出世できない】課長止まりの人と、部長になれる人の、決定的な違いとは?

2025年4月23日(水)6時5分 ダイヤモンドオンライン

【だから出世できない】課長止まりの人と、部長になれる人の、決定的な違いとは?

リーダーには「器」がある──そう言われることがあるけれど、その“器”は最初から決まっているわけではありません。では、リーダーとしての「器の大きさ」を広げ、マネジメントのキャパシティを深めていくためには、どんな経験や視点が必要なのでしょうか?『冒険する組織のつくりかた』著者である安斎勇樹さんと、『組織の体質を現場から変える100の方法』を刊行した沢渡あまねさんに、リーダーとしての“器の広げ方”について語ってもらいました(ダイヤモンド社書籍編集局)。

Photo: Adobe Stock

リーダーの器は「異なる景色」が広げてくれる

Q.「あの人は部長の器じゃない」とか言ったりしますが、そもそもマネジャーの「器」とはいったい何なのでしょう? 課長止まりの人と部長になれる人、あるいは、部長にはなれるけど社長にはなれない人──そうした違いは、どこにあるのでしょうか?

安斎勇樹(以下、安斎)マネジメントのキャパシティって、本当に人によって違いますよね。あるタイプ・階層の人たちのマネジメントはめちゃくちゃうまくいったのに、別のタイプ・階層のマネジャーとしては全然うまくいかなかった──そういうケースって、どこの会社でもあると思います。

『冒険する組織のつくりかた 「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法』 安斎勇樹(著)、448ページ、定価2640円(本体2400円+税10%)、発行:テオリア、発売:ディスカヴァー・トゥエンティワン

 これをマネジャーとかリーダーの「器」と呼ぶのだとすると、いろんなタイプの人と関わって、いろんな景色や言葉を理解できるようになることこそが、リーダーとしての“器”を広げることにつながると思います。

沢渡あまね(以下、沢渡)まさに。多様な体験を経てこそ、他者の背景に気づけるようになる。人のペインに敏感になって、それを解決する発想が生まれる──これってマーケティングやデザイン思考にも通じるものがありますよね。

安斎 大きな組織で人事課題にめちゃくちゃ深く向き合っていたり、すごくうまく機能する社内制度をつくったりしている人事パーソンに話を聞いてみると、前職はマーケティングだったとか、もともとはデザイナーだったというケースもよく見かけます。

沢渡 ありますよね。そういう“意外な経歴”が、今ではちゃんと活きてくる。かつて「ジョブホッパー」と言われていたキャリアが、むしろ強みになる時代になってきたと感じています。

安斎 そう考えると、リーダーの器も「生まれつきのもの」というよりは、「職能ケイパビリティの越境と統合」によって広がっていく部分が大きいのでしょうね。

「苦手な人」とどれだけ向き合ってきたか?

沢渡 私は「自分にない体験をリスペクトできるかどうか?」も、リーダーとしての器の大きさに関わっていると思っています。他者の背景や経験を尊重しながら、それを自分のなかに取り入れていける柔軟さがあるかどうか。

『組織の体質を現場から変える100の方法』沢渡あまね(著)、384ページ、定価1980円(本体1800円+税10%)、ダイヤモンド社

安斎 すごく大事ですよね。キャパシティって、職能だけじゃなくて、人間関係の相性とかコミュニケーションの幅にも関係してきますから。

 たとえば、「このタイプの人、ちょっと苦手だな…」と感じるような相手に対しても、逃げずにちゃんと向き合ってみる。そうする過程で、自分のなかにある“投影”に気づくことがあるんですよ。たとえば、昔のコンプレックスとか、未消化のままだった自分の過去が相手に映っていて、それが原因でイライラしている、なんてことに気づくと、苦手意識が和らぐこともある。

沢渡 それ、まさに“真のメンタリング”ですよね。

安斎 だから、自分にとって得意な相手だけとうまくやるだけじゃなく、「苦手な相手とどれだけ向き合ってきたか」という蓄積も、リーダーとして器を広げるうえではすごく大事だと思います。

(本稿は、『組織の体質を現場から変える100の方法』の著者・沢渡あまねさんと、『冒険する組織のつくりかた』の著者・安斎勇樹さんによる対談記事です)

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