「何か聞きたいことはある?」は頭の悪い二流の質問。頭の良い人は、どう聞いている?

2025年4月23日(水)6時35分 ダイヤモンドオンライン

「何か聞きたいことはある?」は頭の悪い二流の質問。頭の良い人は、どう聞いている?

「『なぜ、そう思うの?』は、絶対にNGです」「なぜなぜ分析」をはじめに「なぜ?」という問いは“論理的に考える”ための「良い質問」だと考えられている。しかし実は「なぜ?」「どうして?」は、致命的な「解釈のズレ」を生み、噛み合わない会話=「空中戦」を作り出してしまう元凶、「最悪の質問」なのだ。「事実と解釈の違い。これに気づけていない人は、まだ確実に“曇りガラス”の中にいます」——。話題の新刊『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』では、世界・国内の各地で実践・観察を積み重ねてきた著者による「賢い質問の方法」=事実質問術を紹介している。本書に掲載された衝撃の新事実の中から、今回は「コミュニケーションの問題が生じやすい質問」について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)

Photo: Adobe Stock

「何か聞きたいことはある?」はよくない質問

皆さんは、人前で発表した後や、大勢での会議の後で、次のように問いかけていないでしょうか。

何か聞きたいことはありませんか?

つい親切心で言ってしまいがちなこのフレーズですが、実はあまり良い問いかけとは言えません。これは書籍の中で紹介しているよくない質問のうちの1つ、「意見を直接聞く質問」に該当します。

今回はこの質問したときに、どういった事象が起きているのか考えてみましょう。

人は興味がないことには質問しない

例えば皆さんは、誰かの講演会や発表を聞いて、「最後に質問はありますか」という質疑応答の時間が取られることがあると思います。ここで質問するという人もいると思いますが、質問しない人のほうが多いのではないかと思います。

例えば、次の質問に答えてみてください。

最近の気候変動についてどう思いますか? ご意見を聞かせてください。

いかがでしょうか。専門家であったり、興味があれば何か意見を持ち合わせていると思いますが、正直多くの人は「深刻だよね」くらいの答えしかすぐに持ち合わせていないのではないかと思います。

ただ、これは決して責めているわけではありません。むしろ人は、自分が興味のないことについては、さして意見を持っていないものです。

そんな状況でも、質問をされたら「じゃあ何か答えなきゃ」と考えはじめるのが人間です。つまり、相手は、質問者からのプレッシャーに答えようとしています。時に「忖度をした質問」がでてくることもあるわけです。

「解釈のずれ」が、コミュニケーション不全につながる

逆に、もし司会者の人がいきなりあなたを指名して、「何か質問してください」と言われたとしたら、あなたはどうしますか。きっと慌てて、とりあえず何かでその場で質問を考えることでしょう。

つまり、質問を特に持ち合わせていない人に、質問を投げかけても、出てくる問いは、その人が急ごしらえで作った、本来は「興味のなかったけれど、求められたから作った粗い質問」になってしまうのです。

これでは、自分と相手との間に温度差が生まれてしまいます。こうして気づかないうちに生まれる「会話のずれ」「解釈のずれ」が、徐々にコミュニケーション不全につながっていくのです。

(本記事は『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』に関する書き下ろし原稿です)

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