ふるさと納税返礼品の「純金製トランプ」、寄付額を999万9000円に「値上げ」…兵庫県三田市
2025年4月25日(金)15時15分 読売新聞
寄付額が引き上げられる返礼品の純金製トランプ(兵庫県三田市で)
兵庫県三田市は、ふるさと納税の返礼品の純金製トランプ(1セット54枚)について、5月7日以降、受け取りに必要な寄付額を777万円から999万9000円に引き上げる。要因は、金相場の高騰。導入から約8か月で大幅な「値上げ」に踏み切る異例の事態だが、「999・9」とぞろ目は継続する。
トランプは縦89ミリ、横58ミリ、1枚の厚さ7マイクロ・メートルで昨年9月に返礼品に加えた。純金のカード製作などを手がける「三菱マテリアル」の三田工場で加工され、ダイヤやスペードなどの模様、数字を印刷。777万円で縁起が良いとして、「純金招福トランプ」と名付けた。
お笑いコンビ「かまいたち」がSNSでも取り上げるなどし、12月に注文が2件相次いで入ったことでも話題となった。
しかし、当初から上昇傾向だった金相場が、さらに高騰。返礼品の調達額は国が「寄付額の3割以下」と規定するが、777万円ではその範囲に収まらない見通しとなったため、引き上げを決めたという。
呼び物の一つであるぞろ目の維持を前提に、市は新たな寄付額を検討し、99・99%という金の純度にちなんで999万9000円に決めた。5月7日から新たな寄付額に移行し、しおりや名刺など他の純金製の品目も引き上げる。
市によると、純金製トランプが呼び水となり、地元産米など他の返礼品への注目も高まっている。昨年度の寄付額は約3億1000万円で、過去最高だった2016年度の約2億2900万円を上回った。寄付金は主に子育て支援策に充てる。
市公民連携推進課の山谷聡課長は「『スリーセブン』から『フォーナイン』となるが、今後も三田の知名度を高めるカードにしていければ」としている。