ベッセント財務長官、関税交渉で「日本は参院選前の合意望んでいる」…インド・韓国も前向き姿勢
2025年4月30日(水)0時17分 読売新聞
ベッセント米財務長官=ロイター
【ワシントン=田中宏幸】米国のベッセント財務長官は29日の記者会見で、関税措置を巡る各国との交渉に関し、日本やインド、韓国などのアジアの貿易相手国が合意に前向きな姿勢を示していると説明した。このうち、日本については、夏の参院選前に米国との貿易協定の枠組みの策定を望んでいるとの見方を示した。
ベッセント氏は「バンス米副大統領が先週、インドを訪問し、交渉に大きな進展があった。韓国とは合意の輪郭が見えてきており、日本とも実質的な協議を行ってきた」と述べた。合意の時期を巡っては、「これらの国は、米国との交渉が成功したことをアピールするため、選挙前に貿易協定の枠組みを策定したいと考えている」と指摘した。
日本側で交渉を担当する赤沢経済再生相は30日から訪米し、関税措置の見直しを巡ってベッセント氏らと2回目の協議を行う予定だ。
ベッセント氏は、報復関税の応酬で貿易摩擦が激化している中国との交渉にも言及。「関税を撤廃する責任は中国にある。(米国が追加関税として課した計145%の)関税率は、中国にとって持続不可能だ」と強調した。