2回目の日米関税交渉、赤沢氏「突っ込んだ議論できた」…今月中旬以降に閣僚級協議で一致
2025年5月2日(金)11時51分 読売新聞
ベッセント財務長官と握手する赤沢経済再生相(1日、米ワシントンで)=代表撮影
【ワシントン=黒木健太朗、下里雅臣】日米両政府は1日夕(日本時間2日朝)、米国のワシントンで2回目の関税交渉を行った。日本側交渉役の赤沢経済再生相は協議終了後、「可能な限り早期の合意に向けて前進した」と記者団に述べ、閣僚級の協議を5月中旬以降に集中的に行うことで米国側と一致したと明かした。
この協議に向けた両国の事務レベルでの話し合いを2日から開始するという。
米側からベッセント財務長官、グリア通商代表部(USTR)代表、ラトニック商務長官が参加し、協議は約2時間10分に及んだ。
赤沢氏の説明によると、日本側はこの日の協議で、トランプ政権が導入した相互関税や自動車などの追加関税の見直しを求めた。その上で〈1〉日米間の貿易拡大〈2〉非関税障壁の見直し〈3〉経済安全保障面での協力——について具体的な議論を深められたといい、「お互いの関心分野について、突っ込んだ議論ができた」と語った。為替や、防衛に関係する安全保障については、議題にならなかったという。
赤沢氏は具体的な協議の内容への言及は避けた。米側の譲歩を引き出すため、米国の貿易赤字の削減に向けて、農産物の輸入拡大や輸入車の安全基準に関する優遇措置の拡充などを提案したとみられる。
5月中旬以降に実施する閣僚級の協議に関し、赤沢氏は「首脳にあげるにあたって議論し尽くしていないところはないか、誤りはないかを詰めて議論する時期がある」と説明した。
赤沢氏は、記者団から6月中の首脳間での合意が念頭にあるのか問われ、「そういう段階に入ればいいなと思っている」とも語った。
米国は日本を含む各国との交渉を優位に進めようと、強気の姿勢を崩していない。トランプ米大統領は先月30日、米メディアに電話で出演し、日本などとの交渉について「私は彼らほど急いでいない。我々は有利な立場にいる。彼らは我々を求めているが、我々は彼らを必要としていない」とけん制した。