中国の4月の対米輸出額21%減…トランプ関税の影響顕著、迂回輸出などでASEAN向けは急増
2025年5月9日(金)19時6分 読売新聞
アメリカと中国の国旗=ロイター
【北京=照沼亮介】中国の税関当局が9日発表した4月の貿易統計で、米国向けの輸出額は前年同月比21・0%減の330億ドル(約4・8兆円)だった。100%超の高関税をかけ合う米国との貿易戦争の影響により、関税引き上げ前の駆け込み需要があった3月から一転して大幅な減少となった。
4月上旬から米国への輸出品には145%の追加関税が課されている。米国からの輸入額は13・6%減の125億ドル。貿易黒字は204億ドルで、前年同月から縮小した。
一方で、東南アジア諸国連合(ASEAN)向け輸出は21・0%増の603億ドルと急増した。東南アジアを経由する「
ASEAN向けなどの輸出が増えたことで、全体の輸出額は8・1%増の3156億ドル、輸入は0・2%減の2195億ドルとなり、貿易収支は961億ドルの黒字だった。
米中両国は10、11日、関税措置を巡ってスイスで閣僚級協議を行う見通しで、交渉の行方が注目される。