『べらぼう』「きっとわっちは一生忘れないよ」あまりに切ない<手を触れるだけ>のラブシーンに視聴者涙、涙…「もしやあの本」「通行切手の上だけ切り取っているのが…」「森下脚本の真骨頂」

2025年3月5日(水)15時56分 婦人公論.jp


(『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』/(c)NHK)

大河ドラマ『べらぼう』


横浜流星さん主演の大河ドラマ『べらぼう』(NHK総合/毎週日曜夜8時ほか)。第9回「玉菊燈籠(たまぎくどうろう)恋の地獄」が3月2日に放送され、話題になっています。

*以下「玉菊燈籠恋の地獄」の放送内容のネタバレを含みます。

●「玉菊燈籠恋の地獄」あらすじ

市中の地本問屋たちが吉原と手を切ると言い出したために「細見などを作っても、市中で売り広められなくなる」と危惧する蔦重。

そんな中、鳥山検校(市原隼人さん)が、瀬川(小芝風花さん)を身請けしたいと申し出たとの話を耳にする。

その時、初めて瀬川を思う自分の気持ちに気付いた蔦重は、ある行動に出て…。

そして、新之助(井之脇海さん)も思いを寄せるうつせみ(小野花梨さん)を連れて吉原を抜け出そうと、思い切った計画を立てるが……。

「通行切手」で連れ出すことを考えつくも


身請けの話が出たのをきっかけに、お互いの想いを確認し、二人で生きるための道を探し始めた蔦重と瀬川。

しかし、それは吉原における<お定め破り>であるうえ、松葉屋の主人・半左衛門(正名僕蔵さん)と女将・いね(水野美紀さん)からは早々に気付かれてしまいました。

結果、松葉屋は瀬川に一晩に5人もの客を付け、同時に蔦重へは瀬川が客の相手をしているところを見せつけることで、女郎の現実を知らしめます。

思い悩んだ蔦重でしたが「通行切手」を使い、吉原から瀬川を連れ出すことを思いつくと、貸本に切手を挟んで瀬川へ手渡すことに。

言葉を失った瀬川


しかし同じことを考えていた浪人・小田新之助と松葉屋の座敷持ち・うつせみの<足抜け>が先に失敗。いねがうつせみを折檻する様子を横目に<足抜けを選んだ女郎を待つ過酷な現実>をあらためて知ることに…。

さらにドラマが進み、いねから自害した先代・四代目瀬川のことを聞いた瀬川。実は、自身もかつて花魁だったいねの口から

「四代目が自害しなければ、その後多くの女郎が豪儀な身請けを決めて吉原を出て行ったはずだった」「瀬川という名跡を背負った以上、吉原では人生をガラリと変えるようなことが起きないわけじゃない、という希望を女郎に見せる務めがある」

といった話を聞いた瀬川は言葉を失ってしまいます。

視聴者の声


そしてドラマ最終盤。貸本業で松葉屋を訪れた蔦重の元に、瀬川がやってきます。

「この本…馬鹿らしゅうありんした」と、借りていた本についての感想を告げた瀬川。

瀬川を見上げた蔦重は「ああ…」と力なくつぶやきます。

対して瀬川が

「この話の女郎もマブも馬鹿さ。手に手をとって足抜けなんてうまくいくはずがない。この筋じゃ…誰も幸せになんかなれない」

と言ったところで、実は<通行切手を使った足抜け>についての感想を言っていることを察した蔦重。

「悪かったな。つまんねぇ話すすめちまって」と答えます。

きっとわっちは一生忘れないよ


すると瀬川。

「何言ってんだい。馬鹿らしくて面白かったって言ってんだよ」

と笑顔で蔦重へと伝えます。

作業をする手を止め、驚いた様子で瀬川の顔を見上げた蔦重。

さらに蔦重の横に座った瀬川は、

「このバカらしい話を重三がすすめてくれたこと、きっとわっちは一生忘れないよ。とびきりの思い出になったさ」

と伝え、一瞬だけ蔦重の手に触れると「じゃ、返したよ」と本を手の上に乗せてその場を去っていきます。

うなだれる蔦重。本をめくると、足抜けをすべく手渡した通行切手が、半分に破られて挟まっているのをそこに見つけるのでした。

視聴者の声


吉原の女郎として、そして足抜けという道を選んだ場合の現実を痛いほど知った二人。予告を見る限り、結果として、瀬川は身請けを受ける方向へと進んでいきそうです。

またその一方で、思い合う二人のあまりに切ない別れに涙を流した視聴者はとても多かったようで、たとえば「上手くいくはずない足抜け。でも愛しい重三が自分を連れ出そうとしてくれたことがどんなに嬉しかったか…。本に隠して最後に振れた手が切なすぎて涙止まらない」「なんと切ないラブシーン。想いあっていても言葉にもできず、ほんのほんの一瞬手を握るだけ…ぐっときました」「返していたのがまさかあの本とは」「風花さんの言葉、仕草どれをとっても最高の演技」「通行切手の上の部分だけ切り取っているのが深い。蔦重の書いた『しお』っていう名前を瀬川はずっと持ち続けるよね」「この切なさが森下脚本の真骨頂」といった声が、SNSやコメントなどを通じて見受けられました。

なお、瀬川が蔦重に返していた本は、よく見ると近松門左衛門の『天の網島』だったよう。

妻子ある男が、妻と恋人の間で思い悩んだ末、足抜けさせた恋人と心中を選ぶという切ない物語で、実は今回のドラマの筋とリンクする内容になっていました。

ーーー

大河ドラマ第64作となる『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』は、“江戸のメディア王”として時代の寵児になった、”蔦重”こと蔦屋重三郎が主人公。

蔦重を演じるのは、NHKドラマ初出演となる横浜流星さん。脚本は、連続テレビ小説『ごちそうさん』大河ドラマ『おんな城主 直虎』などを手掛けた森下佳子さん。

さらに語りは、蔦重らを見守る吉原の九郎助稲荷(くろすけいなり)として、綾瀬はるかさんが担当する。

婦人公論.jp

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