永瀬拓矢九段が振り飛車を採用!その時、藤井聡太竜王・名人は…?意表を突く作戦にファンどよめき「完全なる研究手順」/将棋・ABEMA地域対抗戦
2025年3月17日(月)11時0分 ABEMA TIMES

将棋界最強棋士には、持っているアイディアをなんでもぶつける!日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 2025」、予選Bリーグ1位決定戦、関東B 対 中部が3月15日に放送された。第4局は、関東Bの監督代行を務める永瀬拓矢九段(32)と、中部の大エースである藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)が対戦。タイトル戦級の豪華な顔合わせになったが、ここで永瀬九段は意表を突く振り飛車で勝負。ファンからどよめきが起こった。
この両者の関係は、将棋ファンならよく知るところだ。藤井竜王・名人が14歳2カ月という最年少での四段昇段を果たしたころから、永瀬九段が目をかけて研究パートナーに。以降、永瀬九段が藤井竜王・名人のいる愛知まで足を運ぶまでして、練習将棋で腕を磨き合ってきた。その甲斐あってか、藤井竜王・名人は史上初の八冠独占を達成。永瀬九段もタイトル5期を数えると、現在ではタイトル奪取を狙う挑戦者として、各棋戦で活躍している。

第4局での直接対決は、両者ともに想定外の激突になったが、永瀬九段には秘策があった。後手番から開局すると、早々に角交換し、さらに飛車を2筋に展開する角交換型振り飛車(ダイレクト向かい飛車)を採用した。これには解説の小山直希四段(25)も「永瀬九段が注文をつけました。作戦家の永瀬九段だから決めていたんでしょう」と注目した。
永瀬九段といえば現在は居飛車党ながら、もともとは純粋な振り飛車党。いきなりほとんど指したことがないものを選んでいるわけでもなく、両者間の練習将棋では、何度も指しているかもしれない。ただし、公の場で永瀬九段が藤井竜王・名人に振り飛車で挑むことはめったに見られないだけに、ファンからは「これは研究してきたな」「振り飛車復活」「完全なる研究手順」と大盛り上がり。控室にいた関東B・郷田真隆九段(54)も「振り飛車はフィッシャー、めちゃくちゃいい。できると、すごく助かる」と作戦の採用を高く評価していた。
永瀬九段の秘策を見たからか、藤井竜王・名人は序盤でジャケットを脱いで臨戦態勢に。難しい中終盤を経由したが、じわじわとポイント差をつけていき、最後は快勝。さすがは七冠という力を見せつけていた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)