『べらぼう』読めない<本>で繋がる瀬以と蔦重。さらに見えない<光>に蔦重を例えられた鳥山検校の頭をよぎるのは…視聴者「読み聞かせを期待したろうに」「花魁言葉は悪手」「愛が苦しい」

2025年4月1日(火)17時50分 婦人公論.jp


(『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』/(c)NHK)

大河ドラマ『べらぼう』


横浜流星さん主演の大河ドラマ『べらぼう』(NHK総合/毎週日曜夜8時ほか)。第13回「お江戸揺るがす座頭金」が3月30日に放送され、話題になっています。


*以下「お江戸揺るがす座頭金」の放送内容のネタバレを含みます。

●「お江戸揺るがす座頭金」あらすじ

留四郎(水沢林太郎さん)から鱗形屋(片岡愛之助さん)が再び偽板の罪で捕まったらしいと知らせを受けた蔦重。

鱗形屋が各所に借金を重ね、その証文の一つが鳥山検校(市原隼人さん)を頭とする金貸しの座頭に流れ、苦し紛れに罪を犯したことを知る。

一方、江戸城内でも旗本の娘が借金のかたに売られていることが問題視される。

そこで意次(渡辺謙さん)は、座頭金の実情を明らかにするため、長谷川平蔵宣以(中村隼人さん)に探るよう命じるが…。


お前は…骨の髄まで女郎だな


今回のドラマ後半。妻・瀬以が嫁入りの際に持ち込んだ本から蔦重との関係に気付いた鳥山は、蔦重を屋敷に呼び出そうとします。

そして夜。

書庫に閉じ込められていた瀬以が、かつて蔦重と吉原から足抜けしようと試みた際に作った通行切手を眺めていると、鳥山がやってきます。

蔦重がまもなく屋敷へやってくることを話し、場合によっては「不義密通の罪」で斬る可能性をちらつかせた鳥山。

必死に関係を否定する瀬以の足元へ、蔦重から贈られた本をばらまき、「いくら金を積まれようと心は売らぬ…。そういうことであろう? お前は…骨の髄まで女郎だな」と詰め寄る鳥山。

重三はわっちにとって光でありんした


対してうつむきながらも、覚悟を決めた表情をする瀬以。

「そう。仰せのとおりでござりんす」と答えると、そこからは女郎時代に使っていた、いわゆる<花魁言葉>へと変わります。

「重三は…。わっちにとって光でありんした。あの男がおるならば吉原に売られたことも悪いことばかりではない。一つだけはいいことがあった。…そう思わせてくれた男でございんした。重三を斬ろうが、わっちを斬ろうが、その過去を変えることはできんせん!」

と目の前で言い放つ瀬以に対し、鳥山は言葉を失います。

刀を自らの胸に突きつけた瀬以


「けんど、分かっておるのでござりんす。主さんこそ、わっちをこの世の誰より大事にして下さるお方であることは…。人の心を察しすぎる主さんを…わっちのいちいちが傷つけていることも!」と続ける瀬以。

泣きながらこの気持ちが消えてしまえばいいと願っていることを吐露します。

最後に「この世にないのは四角の卵と女郎の実(まこと)。信じられぬというならどうぞ、ほんにわっちの心の臓を奪(と)ってきなんし!」と告げた瀬以。

鳥山の持つ短刀を自ら手にとると、その切っ先を自身の胸へと突きつけるのでした。

視聴者の声


蔦重とのつながりに気付いた一方、女郎と客の関係を超えられない苛立ちや嫉妬で妻・瀬以こと瀬川を追いつめていった鳥山。鳥山を演じる市原隼人さんの迫力に震撼した一方で、二人のやりとりから滲む切なさに心を奪われた視聴者も多かったようです。

たとえば「盲目の検校が読むことができない本で強く繋がる二人。強い嫉妬を覚えても仕方ない」「そもそも”光”が見えない検校。彼にとって光がどれだけの意味で、瀬以にとって重三がどれだけの存在なのかを考えると…」「女郎の声色になってしまったのは悪手。瀬以にとって検校が客以上の存在にはなり得ないと確信してしまった」「また出会った時のように本の読み聞かせを、と期待したのに<本が読めない>と返された鳥山さま…おいたわしい」「検校の深い愛が苦しい。瀬以の気持ちも痛いほど分かるし...すれ違う2人の想いが切ない」といった声が、SNSやコメントなどを通じて見受けられました。

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大河ドラマ第64作となる『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』は、“江戸のメディア王”として時代の寵児になった、”蔦重”こと蔦屋重三郎が主人公。

蔦重を演じるのは、NHKドラマ初出演となる横浜流星さん。脚本は、連続テレビ小説『ごちそうさん』大河ドラマ『おんな城主 直虎』などを手掛けた森下佳子さん。

さらに語りは、蔦重らを見守る吉原の九郎助稲荷(くろすけいなり)として、綾瀬はるかさんが担当する。

婦人公論.jp

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