伊藤匠叡王が初防衛に“王手”!斎藤慎太郎八段との大激戦制しシリーズ2勝1敗に/将棋・叡王戦第3局
2025年5月4日(日)20時16分 ABEMA TIMES

将棋の第10期叡王戦五番勝負第3局が5月4日、愛知県名古屋市の「か茂免」で指され、伊藤匠叡王(22)が挑戦者の斎藤慎太郎八段(31)に151手で勝利。この結果、伊藤叡王はシリーズ成績を2勝1敗とし、初防衛に“王手”をかけた。次戦が決着局となるか、斎藤八段が再び追いつきフルセットに持ち込むか。注目の第4局は、26日に千葉県浦安市の「ハイアットリージェンシー東京ベイ」で指される。
伊藤叡王の初防衛か、斎藤八段7年ぶりのタイトル奪取か。相掛かりシリーズとなった五番勝負第3局は、伊藤叡王が勝利を飾った。
勝負所の本局は、先手番の伊藤叡王が得意の相掛かりに誘導。何としてでも2勝目を手にしたい斎藤八段も新構想を用意し対抗し、前例のない戦いへと展開した。長い序中盤では互いに一歩も譲らず、形勢不明のまま力のこもった攻防戦が繰り広げられることに。桂香交換を経ていよいよ本格的な戦いが始まると、力を溜めていた斎藤八段が一瞬の隙に抜け出し、主導権を握ることに成功した。
苦戦を強いられることとなった伊藤叡王だったが、気持ちが折れることはなく渾身の勝負手で挑戦者にプレッシャーをかけていく。じりじりと追い上げていく中で、再び互角の形勢に追いついてみせた。粘り強い指し回しの中で、成香を攻防のポイントに逆転に成功。攻めに転じてからは挟撃態勢で手厚く押し切り、タイトル保持者としての貫禄を見せつけ勝利を手にした。

勝利した伊藤叡王は、「先手番ながら苦しい展開にしてしまったのでそこは課題が残ったが、秒読みに入ってからは辛抱強く指すことができた。次は少し間が空くので、中盤戦の精度を上げられるようにやっていきたい」とコメント。敗れた斎藤八段は、まずまずまとめていたと思うが、一分将棋に入ってから選択肢が多かった。いろいろ迷って悪い方にいってしまった。中終盤の精度を欠いてしまったのが反省点。少し期間が空くので、次局は良い将棋を指せるように準備をしたい」と話した。
この結果、シリーズ成績は連勝を飾った伊藤叡王が2勝1敗とし、タイトル初防衛まであと1勝の位置に付けた。次戦が決着局となるのか、斎藤八段が追いついて見せるのか。両者の大熱戦からまだまだ目が離せない。
注目の第4局は、5月26日に千葉県浦安市の「ハイアットリージェンシー東京ベイ」で予定されている。
(ABEMA/将棋チャンネルより)