「痩せるために水しか飲まず、骨みたいなカラダになった」摂食障害で38キロまで激ヤセ…元ラウンドガールの格闘家・あきぴ(36)が明かす“壮絶な学生時代”
2025年5月4日(日)12時0分 文春オンライン
2021年、4児の母でありながら総合格闘技「RIZIN」のラウンドガール「RIZINガール」になったことで話題となった、あきぴさん(36)。現在はプロ格闘家として「RIZIN」のリングに戻るべく、総合格闘技のリングに上がっている。
もともと運動が全くできず、バカにされ続けてきたというあきぴさんは、なぜ格闘技に目覚めたのか。いじめ、摂食障害、夫からのDVに妊娠中の離婚と、激動の半生を聞いた。(全3回の1回目/ 2回目 に続く)

◆◆◆
運動音痴で過食と拒食を繰り返すおとなしい女の子
——山梨出身ですね。
あきぴ 山梨の田舎の方ですね。最寄り駅まで車で20分ぐらいのところで、ものすごく山の中でした。だから、都会への憧れはありましたね。
——今はプロ格闘家を目指していますが、子供の頃はかなり運動が苦手だったそうですね。
あきぴ 物心ついた時から苦手で。「これをやって」と言われたことが何にもできない。周りの子ができているのに、なんで自分はできないんだろうという違和感はありました。小学1年生の時にマット運動でムチ打ちになったこともありました。
大人になってからADHDと診断されたんですが、ADHDの人って体幹が弱い傾向にあるんですよ。私も真っ直ぐ立てなくて、歩くとふわふわしちゃって、それを周りの子供にバカにされる。結構傷ついて、「もう体育の授業には出ない」となっちゃいました。
小学校の頃はおとなしい性格で少女漫画を描いてましたね。トーンを貼ったり、「りぼん」の公募にも応募したり本格的にやっていました。中学に上がってからはやめちゃいましたけど。
——さらに摂食障害もあったそうですね。
あきぴ 小学6年生の頃にオシャレに目覚めて。痩せようと何も食べなかったら1週間で6キロぐらい落ちたんですよ。それで「何これ。こんなに落ちるの。面白い」となっちゃって。
でも食べ始めるとワーッと食べちゃうので、10キロぐらい増えちゃう。それで「やばい」と思ってまた何も食べないのを繰り返して。
高校生くらいまで過食と拒食を繰り返していました。一番痩せている時で38キロ、逆に過食の時は60キロを超えていて。流行ってたコーラックダイエットもやりました。コーラックをめちゃくちゃ飲んで、食べた分を全部出すみたいな。
「高校デビュー」でオシャレも開花してモテ期を謳歌
——中学時代はどうでしたか。
あきぴ いじめにあってました。入学してすぐに先輩とかに目をつけられて。中2では同級生に、ケースの中に入っている画鋲(がびょう)を全部上履きの中に入れられたり、「死ね」って手紙を書かれたり。
今思えば笑い話ですけど、当時は純粋だったのでめっちゃくちゃショックで。親に言えないタイプだったんで、抱え込んでました。
——そんな中、高校デビューしたそうですね。インドア派でおとなしめだった子が、なぜ激変するんですか。
あきぴ ちょっとヤンチャな感じの高校だったし、あと人生で1回モテ期があるっていうじゃないですか? それが高校時代に来た感じです。
その頃は痩せていたし、髪を染めたりとオシャレも完全に開花して。中学まで私をいじめていた子も急に仲良くしてきたりもしました。
それまで死にたいと思うぐらい毎日しんどかったのに、急に世界がガラッと変わって、びっくりしました。
——そうすると高校時代は楽にはなるんですね。
あきぴ 楽しいけど、いじめられた過去があるので、またいつ仲間外れにされるんだろうという不安がありました。
いじめていた子も仲良くしてくれているし、ないがしろにはできない。その子たちと一緒に化粧をして、学校に行くと校門で帰らされて。で、そのまま遊んで、お昼ぐらいにまた高校に戻るみたいな生活でした。
見た目をちゃんとしてないとまたいじめられる、と容姿に対する執着心も芽生えました。痩せるために2週間ほど水しか飲まない。塩は舐めてましたけど。倒れそうなくらいで骨みたいになって。
それで、また過食のスイッチが入ると食べ始めて、太って。これじゃ外に出られないとまた痩せる。それを繰り返してました。
——あきぴさん自身がヤンチャをしていたことはあったんですか?
あきぴ ないです、ないです。周りはヤンチャだったんで、親には心配をかけたりもしましたけど、捕まるようなことはしてないです。当時の彼氏のバイクの後ろに乗っていたりはしましたけど、でも彼氏も暴走族とかではないです(笑)。
介護ヘルパーの資格を取るお金を稼ぎたくてキャバクラに
——高校を卒業してからはどうされたんですか。
あきぴ パティシエになりたくて、東京の製菓学科のある短大に行きました。でも短大でも人間関係がうまくいかなくて。ADHD特有なのかもしれないですけれど、思ったことをそのまま言っちゃって、相手に嫌な思いをさせちゃうことがあって。
そうすると家に帰っても「怒らせちゃったかな」とかずっと気にしちゃうんです。翌日、その人は全然話してくれなくなって、それで「やってしまった。全部、私が悪い」となって人と関わるのが怖くなっちゃって。
思い込みもあったと思うんですけど、それでつらくなって学校に行けなくなって。結局1年ぐらいで退学しました。
——退学後は山梨に帰ったんですか?
あきぴ 山梨の実家には帰らず、東京でアルバイトをしていました。そうしたら母が脳梗塞で倒れたと連絡があって。手術をするんですけど、「もしかしたら半身不随になる」と言われて。
その時、私にはお金もなくて。母の介護のために介護ヘルパーの資格も取らなきゃいけないし、お金が必要だと思ったので、東京のキャバクラで働き始めました。
——あきぴさんはお話を聞いていると、人間関係がかなり苦手だと思うのですが、その中で人と話すキャバクラの仕事は大変じゃないですか。
あきぴ 確かに。でもキャバクラって自分が社長みたいなところあるじゃないですか。
キャバクラの女同士の面倒くささは確かにあるんですけど、接客するのは男性だし、お互いの邪魔さえしなければOKという感じだったので。今思えば、普通の仕事より向いていたなとは思います。
それに頑張った分だけ売り上げが上がっていくのが面白くて。数字が上がっていくのがすごく好きなんですよ。
介護の職場でいじめに遭って「歌舞伎町の女」に
——ダイエットもそうですけど、ゲーム的に数字の変化を見るのが好きなんですね。キャバクラはいつまで?
あきぴ 介護ヘルパーの資格を取るお金を稼いで、それで介護の資格を取った後に辞めました。ただ幸いにも母は無事で、半身不随にならずに済んだんです。それで介護の仕事についたんですが、そこでかなり陰湿ないじめに遭って……。
介護の会社のお局さんに目をつけられて。私への当たりもきつかったですし、使用済みのおむつが置かれている倉庫の中で1日中、おしぼりを丸めさせられたりもしました。それって明らかにおかしいじゃないですか。さすがに嫌になって辞めました。
——それはきついですね。その後はキャバクラで働くことになったそうですが、以前と同じ店ですか?
あきぴ 違うお店ですね。歌舞伎町のキャバクラです。2年半ほどは歌舞伎町の女になりました(笑)。
妊娠中に酒癖の悪い夫にお腹を蹴られて…
——歌舞伎町のキャバクラとなると競争がかなり大変そう。
あきぴ 最初のお店はすごく有名な店だったので、競争はすごく大変でしたね。働いている女の子も怖いし、それにみんな仕事人間なんですね。でも本当に学びにもなりました。1年半ぐらいいたのかな。
そこのお店を辞めて、少し小さい店に移籍したら、売り上げが上がったんですよね。そこでも1年ぐらいやったのかな。それで辞めて、そのあとは携帯電話を売ってましたね。
——その頃に最初の結婚もされますね。お相手はキャバクラの客ですか?
あきぴ 客ではないですけど、新宿界隈の人です。反社とかではなくクリーンな人ですよ(笑)。普通だからこそ惹かれたというか。
私自身は根はおとなしい人間じゃないですか。だから歌舞伎町はしんどかったんですよ。楽しい一方で、ずっとこのままここにいなきゃいけないのかとも思って。
でも最初の夫はすごく純粋で、ちょっとバカなんですけど普通の感覚を持ち合わせてた人で。この人となら楽しく一緒にいられるんじゃないかと思って結婚したんです。22歳ぐらいでした。
——最初の夫ということは離婚をするわけですね。
あきぴ 普段は普通の人なんですけど酒癖が悪くて。最初の子供を妊娠している時に、いろいろあって最初の旦那と別の男性が喧嘩をし始めて、その巻き添えで私のお腹に彼の蹴りが入ったんですよ。
私は身動きが取れず、出血もして具合が悪いのに救急車も呼んでくれない上に「てめえ、帰れよ」って言われて。その後、朝まで罵声を浴びせられて。
このままだと自分もお腹の子も危ないからとにかく逃げなきゃと思って、1回逃げて。その後も色々ともめたんですけど、最終的に離婚しました。
撮影=細田忠/文藝春秋
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(徳重 龍徳)
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