「軽率な発言だった」韓国で批判が殺到→謝罪したことも…ENHYPEN日本人メンバー・ニキ(19)の“本当の評判”〈現地記者が解説〉――2024年読まれた記事
2025年5月7日(水)12時0分 文春オンライン
2024年、文春オンラインで反響の大きかった記事を発表します。男性著名人部門の第3位は、こちら!(初公開日 2024/12/09)。
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今年の12月はいつになくK-POPグループが来日して地上波に出演する。「紅白歌合戦」(NHK)こそ昨年の7グループ*から4グループに減ったものの、4日放送の「FNS歌謡祭」(フジテレビ系)にはじつに12グループが出演した。「CDTV」(TBS系)や「ミュージックステーション」(テレ朝系)の年末特番にも複数のグループが出演予定だ。
* K-POP事務所がプロデュースする全員日本人グループを含む
そういったなかで、注目を集めはじめている日本人メンバーがいる。7人組ボーイズグループ「ENHYPEN(エンハイフン)」のNI-KI(以下、ニキ)だ。12月4日の「FNS歌謡祭」に続き、12月31日の「CDTV」にも出演する。そして彼はきょう12月9日に19歳の誕生日を迎える。

韓国で話題となっている、岡山県出身の19歳
先日韓国・ソウルを取材で訪れた際には、20代の韓国人女性がこんな話をしていた。
「最近、ニキがめちゃくちゃ成長していてすごいんですよ。グループのなかではずっと末っ子キャラだったけど、最近は大人っぽい一面も目立ってきてる。低い声がセクシーなんですよ」
岡山県出身。2005年生まれで、本名は西村力(にしむら・りき)。幼少期からダンスを学び、SHINeeのKEYの来日公演ではバックダンサーを務めた。彼がK-POPアイドルを志し、韓国に渡ったのは13歳のことだった。
世界もそんな彼の成長に気づいているのか、今年5月にYouTubeで公開されたニキのダンス動画は1800万回近く再生されており、コメント欄には日本や韓国はもちろん、各国の視聴者からさまざまな言語で絶賛の声が寄せられている。
彼はいったい、韓国でどう見られているのか? 現地への取材をもとに、成長著しい彼の新たな一面を紹介したい。
「次世代のBTSを探す」と銘打ったオーディション番組から選出
ニキが所属するグループ「ENHYPEN」は2020年9月18日に結成され、同年11月30日に韓国デビューを果たした。グループ名は「単語と単語をつないで文章を作るハイフン(-)のように、つながりを通じて発見し、成長していく」という意味からつけられたもので、BTSやLE SSERAFIMらを擁する大手芸能事務所・HYBEが「次世代のBTSを探す」と銘打ったオーディション番組から選出された。
若手トップを走るグループに
「韓国でも人気は高く、アルバムの売り上げも増加傾向にあります。オーディション番組はデビュー前から大きな話題を集めていましたし、“ファンがメンバーを直接選んだグループ”というイメージも、その人気に大きく貢献していると思われます」(現地テレビ局の芸能担当記者)
人気上昇中、という点はデータ面でも証明されている。韓国メディアでもたびたび引用される韓国企業評判研究所による調査結果「スターブランド」。毎月、ビッグデータから導き出した芸能人の評価ランキングを発表するものだが、2023年11月発表分では、ENHYPENは全ボーイズグループ中8位にランクインした。これは、BTS、SEVENTEEN、NCT、Stray Kids、EXO、THE BOYS、SUPER JUNIORに次ぐもので、幾多のグループが存在するなか、なかなかの上位だといえる。デビューからの年数をみても、ENHYPENが最も若手だ。
韓国語の上達ぶりも支持されている
では、そのグループにあってニキはどう見られているのか。
「唯一の日本人メンバーであるニキの人気も非常に高いです。当時14歳という若さでオーディションに合格し、グループの最年少メンバーとしてデビューしましたが、得意のダンスパフォーマンスもさらに成長を続けています。ここ数年は韓国語が上達したことも、韓国のファンにとって魅力的なポイントとなっているようです」(前出の芸能担当記者)
この韓国記者が言う「ダンス」のイメージと「成長」。取材を進めていくなかで、この印象が強かった。
韓国人が様々な事象についてネットで調べる際に使用するツールとして「ナムウィキ」にはニキについてこんな言及がある。
チーム内でも群を抜くダンススキルの持ち主
〈「全体的にダンスレベルが高いENHYPENのチーム内でも群を抜く実力を持っており、第4世代アイドル全体の中でもトップクラスの実力者として評価されている。名実ともにENHYPENを代表するダンサー。(オーディション番組)『I-LAND』に審査員として出演した歌手Rain(ピ)、BTSのJ-HOPE、SEVENTEENのTHE8、TOMORROW X TOGETHERのヨンジュンなど、K-POPを代表するダンサーの先輩たちも、ニキのダンススキルを度々称賛するほどの目を見張る実力を誇っている」(邦訳=筆者)〉
「ナムウィキ」はユーザーの編集が可能なゆえときに真偽が定かではない情報も掲載されるが、これについては、多くの韓国人が彼に抱くイメージで間違いないだろう。
K-POPグループとは「パフォーマンス力が売り」とされており、日本人メンバーは10代前半あたりから厳しいレッスンを受けてきた韓国人メンバーと比べて「実力不足」と批判されることも少なくなかった。そんな中、ニキのように日本人メンバーがダンスの実力でトップに位置するというのは、もはや隔世の感すらある。
「羨ましい」発言で批判が殺到
いっぽうで、今年3月にはニキ自身が現地メディアから批判される出来事があった。
2月28日にファンとメンバーが交流するオンライン掲示板にファンが「明日は休む」と書き込んだことに対し、ニキは「明日は祝日なの?」と返答。ファンが「韓国は3.1節には休む」と返すと、これに「羨ましい」とコメントしたのだ。
韓国にとっての3月1日は日本統治下の1919年にソウルで抗日独立運動が始まった記念日。今年はその105周年でもあった。
この書き込みに対して、現地メディアは強く反応した。国内最大の通信社「聯合ニュース」までも「ENHYPEN日本人メンバー、3.1独立運動記念日の休暇に『羨ましい』とコメントし批判殺到」と報じる事態となった。
ニキは即座に謝罪した。
「重要な祝日である3.1独立運動記念日について軽率な発言をしてしまったことをお詫び申し上げます。過ちに気づき、該当する投稿は直ちに削除しました。今後はより一層注意を払ってまいります」
いっぽうで、K-POPの大物において、韓国語で「論乱」と言われる、物議を醸す出来事を経験していない存在はほぼいない。またこの件については大手経済紙「毎日経済」を母体としたスポーツ紙「MKスポーツ」はニキ個人のみの責任ではなく、事務所側の教育不足もあったと指摘している。
「いつの間にか円熟した大人に」メディアの評価
今年7月、新アルバムリリース時にニキのインタビューを掲載した韓国メディア「Cine21」は、その記事の冒頭でこんな描写をしている。
〈「オーディション番組『I-LAND』で、あどけない外見とは対照的なパワフルなパフォーマンスで意外性のある魅力を見せていたENHYPENの末っ子ニキは、いつの間にか円熟した大人になりました。魅力的な低音ボイスから長身の体格まで、多くの部分が変化しましたが、日本でキッズダンサーとして活動していた頃から積み重ねてきたダンスへの情熱と才能は変わっていません。成人後(従来の韓国式数え年20歳)、『アーティストとしてさらに成長したいという欲』が強くなったというニキは、『個性を表現する方法についての考え』を正規2集アルバム『ROMANCE : UNTOLD』の中に込めようと努力しました」(邦訳=筆者)〉
前出の記者は取材時に直接、ニキの成長ぶりを目にしたという。
「前回のアルバム『XO』のショーケース(今年7月22日)ではENHYPENのメンバーたちを見ましたが、ニキは年を重ねるごとに余裕が出てきており、ステージもトークイベントも上手くこなすようになった姿が印象的でした。来年はアメリカ最大音楽フェス『コーチェラ』への出演も決まっており、大きな期待が寄せられています」
その他、「クールそうで熱い気持ちを持っている」との評もある。オーディションでダンスの覚えが早かったことから、他の参加者にも教えていた様子や、外国人参加者のなかでも韓国語を一番必死に勉強していた姿などからだ。
オーディション合格時の身長が177cmとされたのが、19歳になった今は185cmと、メンバーの中で最長身となった。文字通り“成長中”の彼の姿は、韓国でもより注目を集めていくだろう。
(吉崎 エイジーニョ)
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