北村総一朗が演出、終戦前の長崎描く「フツーの生活 長崎編」…「原爆の恐ろしさ感じてもらえたら」

2025年5月22日(木)15時51分 読売新聞

北村総一朗さん

 劇団昴ザ・サード・ステージは、終戦前の長崎を描いた「フツーの生活 長崎編」を22日から上演する。2019年に亡くなった劇作家中島淳彦が戦争の悲劇を描いた3部作の一つ。89歳の北村総一朗が演出を手がける。「戦争、そして原爆の恐ろしさ、愚かさを感じてもらえたら」

 物語は長崎の病院を舞台に1945年8月1日から始まる。家族との複雑な事情を抱えていたり、誰かと恋愛していたりと、現代と変わらない患者たちの日々がつづられる。「芝居自体はあまり暗くしないでおこうと思っています。空襲警報とかはあるものの、みんな基本的には明日が来ると信じている。その後に起こる出来事とのギャップから伝わるものがあるはず」

 稽古場では自身の経験を語るようにしている。高知の小学生だった45年、空襲を経験した。「逃げ込んだ防空ごうから空が真っ赤に燃えるのが見えた」。今回、実際に長崎に取材に行くなど精力的に作品と向き合っているが、「体力の衰えは感じていますよ。最後の仕事になるかもしれないと思って頑張りたい」。

 東京・大山のPit昴で、6月1日まで。5月23日、24日、25日、27日、30日、6月1日夜(追加公演)は終演後に音楽付き朗読「原爆詩を読む」がある。(電)03・6907・9220。

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