JA勤務41年の元JA全農常務理事 コメ農政に「1番戦った相手は農水省...どんどん前線を退かないと...」

2025年5月25日(日)18時53分 スポーツニッポン

 元JA全農常務理事の久保田治己・食料安全保障推進財団専務理事が25日放送のテレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」(日曜正午)に出演。コメの価格が高止まりしている問題に言及した。

 総務省が23日発表した4月の全国消費者物価指数(2020年=100、生鮮食品を除く)で、コメ類は98・4%伸び、7カ月連続で過去最大の上昇幅を更新した。直近の今月5〜11日にスーパーで販売されたコメの平均価格(5キロ当たり)は4268円だった。昨年前半までは2000円台で推移していた。

 コメを巡る失言で退場した江藤拓前農水相(衆院宮崎2区)に代わり、農林水産省のトップに就いた小泉進次郎農水相(衆院神奈川11区)は23日、テレビ番組で、「随意契約で、6月頭くらいまでに店頭に2000円台で国の備蓄米を並べることを目指している」と述べた。備蓄米を計30万トンを放出し、必要なら追加も検討するとし、週明け26日に随意契約の手続きを行い、大手小売業者向けの説明会を開催。スーパーなどに直接売り渡す。割安な備蓄米を全国に幅広く流通させるためインターネット販売も模索するとしている。

 作家でエッセイストの阿川佐和子さんが「久保田さんは、JAに入る前は、JAはいろいろ問題があるだろうと思って入ってみて、今の現状でJAの持っている問題点というのはどういうところにあると思いますか?」と聞くと、久保田氏は「私は東京で生まれ育ちましたので、農協って全く知らずに育ったんですよ。なので農協ってうさんくさいやつだと思ってまして。大学では農学部でいろいろ勉強したんですけど、どうもやっぱり農協のことって分からないんですよ、勉強では。なので本当に全農に入って、こいつらが本当にひどいやつだったら内部から改革してやろう、ぶっ壊してやろうと思って入ったんですね」と全農入りした理由を説明。

 そして、「実際に(入って)いろいろ担当して、いろんな実務を勉強していったんですけど、その中でわれわれが1番戦った相手は国なんです。農水省?そうです。農家の手取りが減るような農業改革をずっとしてくるわけですよ。つまり、保護率を下げる。だから、われわれ(JA)は農家が作ってる団体ですから、農家の利益を守りたいわけで、そこで戦うことになるわけですね。だけど、担当者とすると、どんどんどんどん前線を退かないといけないような、それが私が全農にいた41年間のぐらいの結果」と振り返った。

 そのうえで「結果からすると、日本の食料自給率は下がり続けたし、農家の数は減り続けたし、農協も収益が立ち行かなくなって合併をして大きくなることによってコストダウンを図っていくという変化をしてきた」と解説。阿川さんの「なんで農水省に負けちゃうんですか」という問いには「補助金みたいなものが減ってきたってことですね」と答えていた。 

スポーツニッポン

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