元JA全中常務理事「コメ不足の事態になった原因がどこにあるのか追究されないとまた同じことが起こる」

2025年5月27日(火)10時44分 スポーツニッポン

 元JA全中常務理事の福間莞爾氏が27日、フジテレビの情報番組「サン!シャイン」(月〜金曜前8・14)に出演。コメ価格の高止まり問題について言及した。

 小泉進次郎農相は26日、今後放出する備蓄米が5キロ当たり2000円(税抜き)程度で6月初旬にも店頭に並ぶ見込みだと発表した。対象は2022年と21年産の古いコメ。集荷や卸売りの業者を通さず、随意契約で国がスーパーなどの大手小売業者を選ぶ。

 これまでの競争入札と比べ、およそ半値で直接売り渡す。農林水産省は価格高騰を抑えるため、コメ問題に特化した「集中対応チーム」を設置した。随意契約は、業者の選定が恣意的で不透明となる懸念が拭えない。一部農家からは「価格は生産者の努力によって決まる」として、国の介入による値下げに批判的な声も上がっている。

 契約を巡り、LINE(ライン)ヤフーが26日、インターネット通販での取り扱いを検討していると明らかにした。総合スーパーのイトーヨーカ堂も参加。イオンも前向きな姿勢を示した。楽天グループは日本郵便と組み参入に向け調整する。

 農水省によると、全国のスーパーで今月12〜18日に販売されたコメ5キロの平均価格は前週と比べ17円高い4285円。2週連続で過去最高値を更新した。高値を付けた業者が落札する競争入札で放出した備蓄米は流通に時間がかかり、高止まりを解消できていない。

 MCの谷原章介が「2000円のコメなんていうのは数カ月もたたないうちに消費されてしまうと、残るのは高止まりしていた4000円前後のコメになるじゃないですか。そうなった時に備蓄米を新たにどう確保するのか。輸入をするのか。もしくはガソリンみたいに補助金を出して今4000円のおコメを1000円出して3000円台にするのか。国がどう関わっていくかとなると、昔の食管制度みたいな統制米に近い方に持っていった方がいいんですかねえ?」と質問。

 これに福間氏は「そういう議論ももちろんありますけれども、こういうコメ不足の事態になった原因がどこにあるのかということが追究されないとまた同じことが起こる」と指摘。

 「1993年の平成にもコメ騒動がありましたね。もう30年以上前ですが。この時は冷夏と言いますか、日照量が足りなくて70%くらいしか生産ができなかったんです。だから差の200万トンをタイとかから輸入した。今回はそういう天候的な理由じゃなくて基本的に需給、長期的には分かりませんけれども短期的には需給バランスが崩れていると。要するに供給不足になっているということがあるので、しっかりしたコメの生産態勢を長期的につくっていきませんとまた同じようなことが起こるということが根本問題としてある」と述べた。

スポーツニッポン

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