カンヌ国際映画祭閉幕 パルムドールはイランのジャファール・パナヒ監督作『It Was Just an Accident』

2025年5月26日(月)14時10分 シネマカフェ

ジャファール・パナヒ監督 Photo by Lyvans Boolaky/Getty Images

24日(現地時間)、第78回カンヌ国際映画祭が閉幕した。最高賞のパルムドールは、イランのジャファール・パナヒ監督の『It Was Just an Accident』(英題)に授与された。イラン映画がパルムドールを受賞するのは、1997年のアッバス・キアロスタミ監督作『桜桃の味』以来、実に28年ぶりの快挙となる。

ジャファール・パナヒ監督は2010年、反体制的なプロパガンダ活動を行ったとして逮捕され、映画製作や海外渡航を20年間禁止された経歴を持つ。「Variety」によると、受賞スピーチでは「いまこそお願いしたいときです。イラン国内外にいる、異なる意見を持つすべてのイラン人へ」「彼らに一つだけお願いしたい。すべての問題や違いはひとまず脇に置きましょう。最も大切なのは間違いなく私たちの国であり、私たちの国の自由なのです」と呼びかけたという。

今回の受賞作は、監督自身の投獄経験に着想を得て製作された。車を運転中の男が犬を轢いてしまい、その後車が故障して修理工場に立ち寄ることに。工場のオーナーは、その男がかつて自分を拷問した刑務官に似ていると気付き、彼を拉致する。やがて同じように刑務官から拷問を受けた元囚人たちが集まり、男へ復讐しようとするが、彼が本当に加害者なのか、そして復讐は正当な手段なのかと仲間たちの間で葛藤と議論が巻き起こっていく——。

第78回カンヌ国際映画祭 主な受賞結果
■パルムドール
『It Was Just an Accident』(英題) ジャファール・パナヒ

■グランプリ
『Sentimental Value』(英題)ヨアキム・トリアー

■審査員賞
『Sirat』(原題)オリヴァー・ラクセ
『Sound of Falling』(原題)マシャ・シリンスキ

■監督賞
クレベール・メンドンサ・フィリオ『The Secret Agent』(英題)

■特別賞
『Resurrection』(英題)ビー・ガン

■男優賞
ヴァグネル・モウラ『The Secret Agent』(英題)

■女優賞
ナディア・メリティ『Little Sister』(英題)

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