『ぶあいそうな手紙』監督、「どう生きたいのか」作品に込めた明かす
2020年8月10日(月)14時0分 シネマカフェ
『苺とチョコレート』の原作者が脚本に協力した本作は、老境で視力を失いつつある78歳の頑固老人・エルネストが、ある日届いた手紙の読み書きを、若きワケあり娘ビアに頼むことから動き出す物語。
当初、4月2日にブラジルで公開される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大によって延期に。そして日本が世界で最初の劇場公開となった。
アゼヴェード監督は現在、映画の舞台でもあるブラジル南部・ポルトアグレにある自宅で外出を自粛中。そんな中メッセージ動画では、「とてもシンプルな物語ですが、人間性に溢れた映画です」と監督自ら映画の説明をし、「皆さんが映画を気に入って下さるよう、ブラジル南部から祈っています」とメッセージを寄せている。
さらにテキストメッセージでは「ブラジル公開もアメリカ公開も今はめどが立っていません。そんな中で、日本の映画館が再開し、この映画が公開されると聞いて、とても嬉しく思いました」と今回の日本公開を喜び、「私はこの映画で『あなたはどんな老いを生きたいのですか』と問いかけたいと思いました。 若い方には、まだまだ『老い』なんて先の話だと思うでしょう。 けれど、『あなたは本当はどう生きたいのですか』という問いであればどうでしょう」と本作のメッセージを明かしている。
アナ・ルイーザ・アゼヴェード監督 テキストメッセージ全文
この映画は 4 月にブラジルで劇場公開されるはずでした。
しかし、世界中に拡大したパンデミックにより延期になりました。
ブラジル公開もアメリカ公開も今はめどが立っていません。
そんな中で、日本の映画館が再開し、この映画が公開されると聞いて、とても嬉しく思いました。
世界のどこよりも早く日本で劇場公開されるのです。
私はこの映画で「あなたはどんな老いを生きたいのですか」と問いかけたいと思いました。
若い方には、まだまだ「老い」なんて先の話だと思うでしょう。
けれど、「あなたは本当はどう生きたいのですか」という問いであればどうでしょう。
映画の中でエルネストとビアは変わります。それは、それぞれの可能性の発見なのです。
『ぶあいそうな手紙』監督 アナ・ルイーザ・アゼヴェード
『ぶあいそうな手紙』はシネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺、シネ・リーブル梅田、京都シネマにて公開中、ほか全国にて順次公開。