「脱中国化」と「脱米国化」、大国競争に勝つのは誰か―香港メディア

2025年5月25日(日)10時0分 Record China

18日、香港メディア・香港01は、米国と中国が互いの依存から脱却する競争を繰り広げており、いち早く脱却できた方が世界秩序の再構築で優位に立つとする評論記事を掲載した。

2025年5月18日、香港メディア・香港01は、米国と中国が互いの依存から脱却する競争を繰り広げており、いち早く脱却できた方が世界秩序の再構築で優位に立つとする評論記事を掲載した。



記事はまず、米中両国がこのほど相互関税に関する共通認識に至り、その成果が想定を超えていたとする一方で、関係改善の動きは表面的なものであり、その根底にある構造的な対立は変わらないと指摘。覇権を維持したい米国と国際的な地位を高めたい中国の狙いは根本的に相いれず、米国の貿易赤字などの経済面、半導体や中国の軍民融合戦略などの技術面、台湾問題をはじめとする地政学面のいずれにおいても対立を続けていくことになるとの見方を示した。



そして、両国が対立する中で米国は「脱中国化」、中国は「脱米国化」をそれぞれ進めているとし、米国は生産拠点を中国からベトナムやインド、メキシコへと移転する、半導体を主とする先進技術の輸出や投資の規制を行う、国内製造業や同盟国とのサプライチェーン連携を強化するといった側面から「脱中国化」を目指していると説明。一方の中国は半導体や人工知能(AI)の国産化、研究開発強化といった技術的自立、内需主導型経済に向けた国内市場の育成と消費拡大、「一帯一路」など自国主導の国際経済圏や多国間協力の推進、人民元の国際化による米ドル支配からの脱却といった形で「脱米国化」に向かっていると解説した。



その上で、米国の「脱中国化」と中国の「脱米国化」の競争では、迅速かつ効果的に相手への依存を断ち切れた方が今後の国際秩序における優位性を獲得できると予測。米国は基礎研究やイノベーション、同盟国のネットワーク、国際基礎通貨としての米ドルといった強みを持つ一方で、既存の世界的なサプライチェーンからの切り離しが難しい、国内製造業の再構築に時間がかかる、膨大な中国市場からの脱却が容易ではないという困難を抱えているとした。一方、中国は巨大な市場と生産能力、政府のトップダウンによる政策実行力、発展途上国への影響力といった強みを持つ一方、先端技術分野での対米依存が難しい、国際的な信頼性や地政学的孤立のリスク、国内経済の低迷により内需拡大が難しいという課題を抱えていると論じた。



記事は両国の状況を鑑みた上で、現状では中国の「脱米国化」が米国の「脱中国化」のスピードを上回っていると分析。中国が優位に立っているポイントとして、「脱中国化」を狙う米国による中国への経済的、技術的な規制がかえって中国の自立の加速につながっていること、米国の「脱中国化」に同盟国が必ずしも追随していないこと、トランプ政権の不確実性といった点を挙げた。また、米国の外交政策や中国の「グローバル・サウス」戦略の浸透によって「脱米国化」の流れが中国にとどまらず世界規模で起こりつつあるとの見方も示した。(編集・翻訳/川尻)

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