ウクライナの「ロシア国内の軍事拠点攻撃」容認…ドイツが供与する長射程兵器の制限撤廃

2025年5月27日(火)10時41分 読売新聞

ドイツのメルツ首相(26日)=AP

 ドイツのメルツ首相は26日、ロシアの侵略を受けるウクライナに米欧が供与している長射程兵器に関して、これまで設けてきた射程制限が撤廃されたと明らかにした。「ウクライナはロシア国内の軍事拠点を攻撃することで、自国を防衛できるようになる」と言及した。

 メルツ氏は同日、首都ベルリンで開かれた国際会議で「英国、フランス、ドイツ、米国からウクライナに供与された武器の射程制限は、もはや一切ない」と明言した。ロシアを刺激することを警戒し、ドイツを中心に露国内への攻撃を巡っては慎重姿勢が強かったが、最近の露軍の攻勢も踏まえた米欧の方針転換が鮮明になった形だ。

 メルツ氏は、ウクライナが求めるドイツの長射程巡航ミサイル「タウルス」(射程約500キロ・メートル)の供与に前向きな考えを示しており、今回の発言はタウルス供与を念頭に置いたものとの見方も出ている。

 独誌シュピーゲル(電子版)によると、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は28日に訪独し、メルツ氏と会談する予定だ。ロシアに停戦を促すための圧力強化に向け、タウルスの供与も議題に上る可能性がある。

 一方、インターファクス通信によると、ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、ウクライナに対する長射程兵器の制限撤廃について「そのような決定が存在するならば、政治的解決に向けた我々の意向と完全に矛盾する。非常に危険だ」とけん制した。(ベルリン支局 工藤彩香)

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