掃除機の紙パックに純正品ではない100円ショップのものを使用しています。問題はありますか?【家電のプロが回答】

2025年4月16日(水)21時10分 All About

100円ショップなどで購入できる汎用品の紙パックを使って、掃除機を使用している人もいるかもしれません。実際のところ問題はないのか、「All About」白物・美容家電ガイドの田中真紀子が解説します。

紙パック式掃除機の紙パックを交換する際には、純正品とより安価な汎用品、2つの選択肢があります。実際のところ、汎用品を使用しても問題ないのでしょうか。
「All About」白物・美容家電ガイドの田中真紀子が解説します。
(今回の質問)
価格が安いので、掃除機の紙パックに純正品ではない100円ショップのものを使用しています。何か問題ってありますか?
(回答)
100円ショップに売っている各社共通の紙パックの汎用品は、掃除機本来の性能を発揮できないだけでなく、本体内にゴミがこぼれたり、発火・発煙のリスクがありますので、おすすめできません。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

汎用品の使用にはさまざまなリスクがあります

キャニスター掃除機の紙パック式はランニングコストがかかるため、純正品ではなく100円ショップの汎用品で済ませたい、と思う気持ちは分かります。ですが、汎用品にはさまざまなリスクがあるため、使わない方がよいです。
そもそも紙パック式掃除機は、掃除機で吸ったゴミと空気が紙パックの中を通り、ゴミだけを捉えて空気は通す構造になっています。そのため紙パックにゴミがたまり過ぎたり、フィルターが目詰まりすると吸引力が落ちる可能性も。つまり、紙パックは「ゴミを溜める」「目詰まりを起こさず空気のみ通す」性能が必要なのです。
このバランスが重要で、紙パックの目が詰まり過ぎていると空気はうまく流れませんし、粗過ぎるとホコリなどが紙パックからもれ、本体内部が汚れてしまいます。最悪の場合、ホコリが原因で発煙・発火につながり、重大事故を起こすリスクもあるのです。汎用品を使用することは、こういったリスクを高めることにつながります。
ちなみに純正といっても、必ずしも同メーカーが製造しているとは限りませんので、購入時は製造するメーカー名ではなく、使用する製品のメーカー名と型番、そして「純正」の文字があるか確認しましょう。

コードレス掃除機用紙パックの汎用品を探すのは困難?

なお、近年はコードレススティック掃除機でも紙パック式が続々登場していますが、現時点では紙パックの汎用品を100円ショップで探すのは難しいと思われます。
前述のように、紙パック式の掃除機はゴミがたまると空気の流れが悪くなり、吸引力が落ちてしまいます。特にコードレス掃除機は紙パック自体が小さいので、いかにゴミを溜めながら風路を確保するか、さらに紙パック交換時にいかにゴミを撒き散らさないか、メーカーが独自の構造、形状を採用しています。そのため現時点では、どのメーカーでも使える汎用品を作ること自体難しいと考えられます。
また、最近はゴミを自動で吸引するダストステーションを搭載したモデルが登場しています。この中に紙パックが採用されており、多くは交換が2〜3カ月に1回で済むので、手間を大幅に省けて便利です。
この記事の筆者:田中 真紀子
白物家電、美容家電の専門家兼ライターとして活躍。日々発売される新製品をチェックし、製品の紹介記事やレビュー記事を雑誌やWeb、新聞などで紹介している。日常的にも話題の新製品を使うことで、ライフスタイルに合わせた選び方や、上手な採り入れ方の提案も行っており、テレビ出演も多数。
(文:田中 真紀子)

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