Dynatraceが示す、オブザーバビリティの重要性と成長戦略 - 日本市場に注力
2025年5月22日(木)7時0分 マイナビニュース
オブザーバビリティ製品を提供するDynatraceは5月21日、都内で事業戦略発表会を開催した。発表会では米国本社からCEOのリック・マコーネル氏が来日し、説明を行った。
統合的なオブザーバビリティを提供するDynatrace
同社は2005年にAPM(アプリケーションパフォーマンス管理)製品を提供するベンダーとして設立し、2019年ニューヨーク証券取引市場に上場、2021年に日本市場での活動を本格化。現在の本社は米国ボストン、グローバルに62拠点を展開し、社員数は4700人を抱え、顧客数は欧米の大企業を中心に4000社以上に達する。
同社製品は「OneAgent」と呼ぶ単一のエージェントでインフラ、アプリケーションに関連する情報を収集し、ノースキーマかつノーインデックスのデータレイクハウス「Grail」で収集したデータを格納して高速で分析を行う。また「PurePath」は、ブラウザからコードからデータベースまでアプリケーションの全階層のコードを変更することなく自動的に処理の流れを捕捉する。
全階層にわたるすべてのアプリケーションコンポーネント間の依存関係を理解し、インタラクティブマップによる可視化やAI分析を行う際は「Smartscape」を利用。さらに、AIによる分析結果などをトリガーとして人手を介さない自動化処理をワークフローで実行することが可能な「AutomationEngine」を備える。
冒頭、マコーネル氏は「オブザーバビリティ、アプリケーションセキュリティ市場は650億ドルの規模がある。昨今、ITの複雑化は従来以上に進んでおり、クラウドへの移行に伴いデータも増加していることから、管理していくことが難しい状況になっている。データやソフトウェアが複雑に絡み合う状況においては、自動の管理プロセスに取り組む必要がある」と指摘。
そのうえで同氏は「当社はAIの主導の製品を提供しており、企業のデータを分析して、どのように企業の活動に結びつけるかというプロセスを自動で行うことが可能だ。たとえば、インシデントを検知して削減したり、MTTR(Mean Time To Repair)を短縮したりといった目的で導入されている。しかし、技術的な分析や解決に使うだけでなく、ビジネスの文脈でも活用されている。単なるソフトウェアの管理のみならず、ビジネス全体の最適化という観点で利用が広がっている状況」と胸を張る。
3つのAIを活用し、プラットフォームに搭載
マコーネル氏によると、Dynatraceで実現できることとして、あらゆるトランザクションの分析、AIによる自動化、迅速なイノベーションの3つを挙げている。そして、同社製品の肝と言えるのが独自のAI「Davis」を搭載したプラットフォームで4つのレベルにおいて、統合的なオブザーバビリティを提供している点にあるという。
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