【世界卓球】「炎のファイター」戸上隼輔、男子シングルス日本勢46年ぶりメダル王手 ドイツ武者修行で引き出し増えた

2025年5月23日(金)6時15分 スポーツ報知

戸上隼輔

◆卓球 ◇世界選手権個人戦 第6日(22日、カタール・ドーハ=ルサイル・アリーナ)

 男子シングルス4回戦で、パリ五輪代表の世界ランク30位・戸上隼輔(23)=井村屋グループ=が同種目の日本勢46年ぶりの表彰台に王手をかけた。同10位のダルコ・ヨルギッチ(スロベニア)をフルゲームの激闘の末に破り、初の8強入り。3位決定戦がないため、準々決勝で勝てばメダル獲得が決まる。21日の3回戦で同4位の張本智和(21)=トヨタ自動車=を破り、同種目で唯一の日本勢の重圧も背負って快挙に挑む。

 最後は気持ちだった。3—3の最終ゲーム。戸上は相手に先にマッチポイントを握られたが、逆転して得意の逆回転のチキータで勝負を決めた。床の上に大の字になり右拳を突き上げ、ベンチの上田仁コーチ(33)に駆け寄ってハグ。フルゲームの死闘を制し、初の8強入り。メダルに王手をかけ、「まさか勝ち切れるとは。本当にうれしい」。日本勢唯一勝ち上がった重圧を改めて肌で感じ、涙があふれた。

 過去2大会は3回戦止まり。メダルを逃したパリ五輪後は「世界で勝負」すべく2季ぶりにドイツ・ブンデスリーガに参戦。4月に現役引退し、専属コーチに就いた上田氏と二人三脚で、日本にはいない多様な戦型の選手と対戦し、戦い方の幅を広げた。「1発(強打)だけでなく緩急をつけたり」。3回戦で張本智をラリーで圧倒し、ブンデスリーガで対戦経験のあるヨルギッチも回転を変えたサーブなど“うまさ”で勝ちきった。

 日本男子のシングルスは1979年大会金の小野誠治以来、表彰台から遠ざかる。日本勢46年ぶりのメダルまであと1勝。プロレス好きの23歳はアントニオ猪木さんのテーマ曲にかけ「日本代表でメダルを獲得できる好機はある。120%の力で炎のファイターとして頑張ります」と闘魂を込めた。

 ◆戸上 隼輔(とがみ・しゅんすけ)2001年8月24日、津市生まれ。23歳。3歳で卓球を始め、山口・野田学園中・高、明大を卒業。21年アジア選手権で混合、男子ダブルス2冠。世界選手権は21年に男子ダブルス銅。22年に男子団体銅。全日本選手権は22年、23年男子単連覇。22年男子ダブルスV。パリ五輪代表。右シェーク攻撃型。プロレスの棚橋弘至(48)のファン。171センチ。

スポーツ報知

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