メルセデスF1の最前線に戻ったTDアリソン「役割交代によって、チームの総合的な戦闘力は最大化される」
メルセデスのテクニカルディレクターを務めるジェームズ・アリソンは、特定のライバルを打ち負かすことよりも2023年型マシン『W14』の改善を優先事項として重点を置いているが、やがてレッドブルは「追い詰めてオーバーテイクするのに値するライバルになるだろう」と述べている。
アリソンはマイク・エリオットとポジションを交代してメルセデスの最前線に復帰した。エリオットはアリソンの前の職であるチーフテクニカルオフィサーとなることで、ふたりはそれぞれ天性の才能と専門スキルを活かして、メルセデスの復活に寄与していく。
「この役割の交代によって、このチームの総合的な戦闘力は最大化されると考えている」とアリソンは最新の『F1 Nation』のポッドキャストで説明した。
「我々はここブラックリーのコアの部分を分析した。そしてマイクと私は、互いが組むことでかなりうまくカバーできるという結論に達したが、チャンピオンシップでのマシンによる短期的な戦いには私のほうが適していると判断した。そして我々のペアでは、彼が優れたチェスプレイヤーであり、私が以前務めたCTOとしての仕事がより適しているだろうということになった」
「そのため、我々はいろいろと動かすことで、より優れた総合的なファイティングマシンと考えられるものを思いついた」
「レースに戻ることができてうれしい。レースはエキサイティングで楽しく、面白いものだ」
今シーズン、メルセデスは進歩を遂げており、特に昨年の御しがたいバウンシングを起こすマシンと比べ、より予測可能で安定したマシンを作り出している。それでもメルセデスはレッドブルの圧倒的優位にあるRB19にはかなわない。そしてフェラーリやアストンマーティンのようなライバルと、2番手の座を争わなければならない。
W14を強化するための包括的なアップグレードプログラムが進められており、間もなく投入される予定だ。しかしアリソンは、相対的な意味で、現在の状態でメルセデスのW14は悪いマシンではないと主張している。
「信頼性があり、調子がよく、間違いなく強さがある。非常に速く走行する2台だ」
「グリッド上のほとんどのマシンよりも優れている。しかし我々全員にとって、最速となるまでは、非力なマシンのように常に感じてしまう」
「タイヤを十分にいたわるが、過去に作った何台かほどはよくはない。グリッド上のほとんどのマシンよりもダウンフォースが大きいが、十分ではない。ハンドリング特性は少し物足りない部分があるので、取り組む必要があることは確かだ」
「だがこうしたことはどれも本質を表していない。週末はほとんどこの件について話し合ってきた。これはチームが勝てる素材を手に入れるために取り組む必要があることの一部だ」
今シーズンにメルセデスが戦っているチームはどこかと尋ねられたアリソンは、当面の焦点はW14を完全に改善することだと主張している。しかし最終的には、最大のライバルであるレッドブルを視野に入れることになるという。
「私はそうした点では考えないようにしている。マシンのどの領域にチャンスがあるのか集中するだけだ」
「どの週末もチャンスを高められることを期待しつつ、ハードウェアや異なるアプローチによって、どれだけ早く条件を満たすことができるだろうか? できるだけの早さでそうすることで、どの週末でも、どのチームが相手でも、チャンピオンシップでの我々のチャンスはより高まるだろう」
「しかし我々はレッドブルと、特にマックス(・フェルスタッペン)の驚異的なパフォーマンスについては完全に現実的になっている。彼らは、追い詰めてやがてはオーバーテイクするのに価値あるライバルとなるだろう」
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