鈴鹿サーキットではF1日本GP継続が決定 1月に招致表明した大阪の今後の動向は?

2024年2月4日(日)6時30分 ココカラネクスト

鈴鹿では2029年まで日本GPが開催されることになった(C)Getty Images

 鈴鹿サーキットでF1日本GPが継続されることが決まった。同サーキットを運営するホンダモビリティランドは2月2日、F1の興行権を持つフォーミュラワン・グループと5年間の開催契約を結び、同サーキットで2029年まで日本GPが開催されることになったと発表した。

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 フォーミュラワン・グループのステファノ・ドメニカリ最高経営責任者は「鈴鹿は、F1というスポーツの一部かつ特別なサーキットであり、今回、2029年までF1を開催し続けられることになったことを喜ばしく思う」などとコメント。最近は3年契約刻みだったが、5年契約はバーニー・エクレストン氏が統括していたFOWC時代の13年に14〜18年の開催契約を交わして以来で、大型契約を締結できたといっても過言ではない。

 その一方で1月に大阪観光局が市街地レースを想定した大阪でのF1招致を表明。民間主導のプロジェクトで大阪府の吉村洋文知事もバックアップする意向を明らかにした。鈴鹿での開催契約は今年までだったため、グランプリの開催を巡って火花を散らす事態になるのではと業界も騒然となり、SNSでも賛否が飛び交った。

 F1は1国1開催の不文律があるとされながら、今年はアメリカで3グランプリ、イタリアで2グランプリが実地され、崩壊状態にある。かつて日本では1994、95年と日本GP(鈴鹿)、TIサーキット英田(現岡山国際サーキット)でのパシフィックGPと同一シーズンに2グランプリを開催した過去がある。

 ところが鈴鹿と大阪は130キロほどの距離にあり、近鉄特急を使えば、最寄りの白子駅から大阪難波駅まで所要時間は100分。トヨタ自動車がF1に参入した2007、08年には富士スピードウェイ(静岡)で日本GPが開催されたが、この時も1国2開催が検討され、経済圏の近さから実現に至らなかったとされ、鈴鹿は開催カレンダーから外れた。大阪と鈴鹿が共存する可能性は薄いとの見方はあった。

 F1関係者も「現実的に鈴鹿と大阪の1国2開催は難しい。どれだけF1側から将来の開催契約に関する情報を得ていたかは不明ながら勇み足となった感はある。市街地サーキットが増えたせいか、最近ではオールドスクール(昔ながら)のパーメネントサーキットが見直されている。大阪側の見通しが甘かったのでは」と言う。

 今季もサウジアラビア、モナコ、アゼルバイジャン、シンガポール、ラスベガスが公道レースで、マイアミもスタジアムの取り付け道路を使うことから市街地レースに準ずる。鈴鹿サーキットでは1987年にF1が開催されたが、基本のレイアウトはほとんど変わらない。唯一、過去のF1マシンのラップタイムと対比できることから、F1を目指す海外の若手選手も「一度は走ってみたい」とあこがれのサーキットとなっている。

 もちろん、今後も大阪側は招致活動を続けていくことになりそうだが、日本のスーパーフォーミュラ、スーパーGTだけでなく、米インディカー、世界選手権のフォーミュラEなどモータースポーツ競技は多く、F1にこだわる必要はないかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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