24歳の大砲は目標とする「打率3割」へ――守備面も強化 「ポスト村上」は3年目シーズンに向け確実に“進化”
2025年2月12日(水)6時0分 ココカラネクスト

澤井廉が目標とする数字に向かって突き進む(C)TsutomuBEPPU/CoCoKARAnext
ヤクルトの3年目・澤井廉が外野のポジションを奪いにいく。今季は「レギュラーを獲ること」を胸に沖縄の浦添春季キャンプで練習に励んでいる。
「打率を上げないと(レギュラーは)獲れない」と、1年目にイースタン・リーグで本塁打王(18本塁打)に輝いた24歳の大砲は「バチンと打った当たりは柵は越えると思う」と長打力に自信を持っているが、打率を求めるためには「コンタクト率を上げる」ことを目標にしている。
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「詰まっても(打球を)落とすとか、(バットが)泳いでも落とすとか、対応の幅を広げていきたい」と決意した理由には、昨年のままでは1軍で「通用しない」と痛感したからだ。
昨季はプロ初本塁打を記録したものの、12試合の出場で打率.160という結果に終わった。その教訓から打撃フォームにも改良を加え、バットを寝かせて構えるスタイルに変更。右半身を意識ながらのスイングにも取り組む。
大松尚逸チーフ打撃コーチは「スイングプレーン(バットを振るときの理想的な軌道や角度)を圧倒的に長くしているところが、どれくらい対投手で変わるのかというところですけど、いまのところはかなり順調だと思います」と、練習が確実に実を結んでいると明かした。
キャンプ中のシート打撃では、右へ左へ打ち分け、5打数3安打をマークした。実戦形式の練習でもアピールに成功し、結果を残した。
また、課題の守備面ではスプリントを磨くことを強化。「足を動かすという面で取り組んできた」という澤井は、今キャンプの守備練習で軽快な動きを見せていた。
外野は主軸を打つドミンゴ・サンタナ、ケガから復活を目指す塩見泰隆がいるだけに、残りの“1枠”をつかむためには守備面も上達していかなければならない。
現時点の目標は「3割と20本以上(本塁打を)打つこと」と話す澤井は、今オフにメジャー移籍が濃厚な村上宗隆の後継者としての期待は大きい。
第2、第3クールと指導を行った真中満臨時コーチは、澤井について「数字的なところは後からついてくるもの。やっぱりしっかりボールを見極めて打っていくようにすれば、本塁打の数であったり、打率も上がってくると思う。ひとつずつではないでしょうか」と、進化の過程を経ての成長を期待した。
大松コーチは「純粋にいまやっていることを継続してできるかということと、実戦に入ったときにアジャストしていけるか」と、キャンプ中に行われる練習試合、オープン戦で結果を残せれば、澤井が目指す「レギュラー獲り」にグッと近づくはずだ。
右ひざの大けがも経験し、苦難を乗り越えてきた背番号「42」。今季は1軍の舞台で大輪の花を咲かせて欲しい。
[文:別府勉]