久保建英を変えたバルサ入団 関係者が漏らした8歳の日本人との“異例契約”の舞台裏「首脳陣は狂気の沙汰だと考えた」

2025年3月3日(月)7時0分 ココカラネクスト

バルサ入団直後の久保。その顔つきにはあどけなさも残る。(C)Getty Images

 まさに異例中の異例だった。久保建英とバルセロナの契約である。

 さかのぼること16年。当時、川崎フロンターレの下部組織に所属していた8歳の久保少年は、バルセロナのカンテラ(ラ・マシア)の入団テストに合格。日本人選手として初の契約を交わした。

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 この日本サッカー界にとってもエポックメーキングな契約がふたたびクローズアップされた。スペイン・メディア『RELEVO』は、久保とバルセロナの契約を「多くの人が狂気の沙汰と考えるアイデア」として紹介。川崎に入団テストを受けるように推薦した当時のスカウトであるオスカル・エルナンデス氏との間にあったドラマを伝えている。

 のちにアルビレックス新潟でコーチを務めるエルナンデス氏は、多くの原石たちを見出してきた目利きだ。彼にスカウティングされてバルサの門戸を叩いたのは、アンス・ファティ、エリク・ガルシア、ラミン・ヤマルなど枚挙に暇がない。

 そんなプロフェッショナルの目にも久保は特別に映っていた。「2009年に横浜で開催されたバルサ・スクールに参加していた左利きの少年にオスカルは驚嘆した」と伝える『RELEVO』によれば、半信半疑だったクラブの反応を押し切るような形でスカウティングを行っていたという。

「しばらく日本で過ごしたオスカルはラ・マシアに直接連絡をし、タケのことを伝えた。当初、クラブの首脳陣は彼の報告を狂気の沙汰だと考えた。トライアウトのために日本の少年を地球の反対側まで連れて行くのはあまりにも非現実的に思われた。だが、その才能があまりにすばらしかったため、コーチはあらゆる手を尽くし、何度も説得を試みた。

 そしてオスカルはラ・マシアでのトライアルを要請。クボはファティやE・ガルシアら同世代とのトレーニングセッションを1回受けただけで、チームに迎え入れられることが決まった」

 この時、久保の下にはアトレティコ・マドリーからも関心が寄せられていたという。ゆえにエルナンデス氏は本気だった。どれだけ本腰を入れていたかは、「彼は『この子は素晴らしいんだ』と言い続けていた。私たちも初練習でそれを目の当たりにした」という当時のクラブ関係者のコメントからも明らかである。

 もっとも、久保とバルセロナの関係は長くは続くかなかった。クラブが18歳未満の外国人選手の補強禁止のルールを破った制裁によって公式戦に出場できなくなり、2015年3月に帰国を余儀なくされたのだ。

 ショッキングな結末を含め、ドラマティックだった久保のバルサでの時間。ただその経験が、彼の国際的な価値を高めたのも間違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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