王者が圧勝。コバライネン、新城ラリー“ほぼ完封”で2023年初勝利/全日本ラリー第2戦
2023年3月8日(水)21時6分 AUTOSPORT web

先月嬬恋で開幕したJRC全日本ラリー選手権。2023年シーズン第2戦『新城ラリー』が3月3日から5日にかけて、愛知県新城市を中心に行われ、ヘイキ・コバライネン/北川紗衣組(AICELLOラックDL速心FABIA)が今季初優勝を飾った。
WRC世界ラリー選手権でTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームのワークスドライバーとして活躍する勝田貴元と、チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラもデモランゲストとして来場した今大会。開幕戦をスキップしてこの第2戦に登場した“前年王者”コバライネンは圧巻の走りを披露した。
全部で11本のSSで争われた今大会。その初日4日(土)のレグ1は、シュコダ・ファビアR5を駆るチャンピオンが、SS1からSS6まですべてのステージでベストタイムを記録する完璧なスタートを決めた。コバライネンは、車両が競技規定に適さないことからオープンクラスでの参戦となった勝田範彦/木村裕介組(トヨタGRヤリス・ラリー2)を1分8秒6引き離し、JN1クラス2番手/総合3番手で競技初日を終えた福永修/齊田美早子(アサヒ☆カナックOSAMU555ファビア)はさらに1.7秒後方につけるかたちに。
JN1クラス3番手は保井隆宏とペアを組んだ新井敏弘(SUBARU WRX ラリーチャレンジ)が入ったが、総合では5番手。総合4番手にはJN2クラス首位の奴田原文雄/東駿吾組(ADVAN カヤバ KTMS GRヤリス)がつけた。トップとのタイム差は奴田原が1分28秒0、新井が1分30秒4だ。
翌5日(日)のレグ2は天候の変化が順位を左右する一日となった。しかし、F1優勝経験者でスーパーGT・GT500チャンピオンでもある男にとってはそれも関係なく、オープニングのSS7を制すと雨中のステージとなったSS10まで連続ベストをマーク。最終SS11では開幕戦の嬬恋ラウンドを制した鎌田卓麻/松本優一組(SUBARU WRX ラリーチャレンジ)にステージ優勝を奪われたものの、11SS中10本のベストを刻む圧勝劇でシーズン初優勝を飾っている。
2位は今戦からシュコダ・ファビア・ラリー2エボを投入している福永/齊田組。3位には前日の総合7番手から巧みなタイヤ戦略でもって順位を上げ、雨の最終ステージで同門の新井敏弘と、Ahead プジョー 208 ラリー4を駆る新井大輝/金岡基成組をかわした鎌田/松本組が入った。逆転を許した新井大輝は11.6秒差の4位となっている。なお、今大会がトヨタGRヤリス・ラリー2での初陣となった勝田はSS10でのアクシデントにより、リタイアを喫した。
JN2では初日をクラス首位で折り返した奴田原/東組が勝利を収めている。JN3からJN6各クラスのウイナーは以下のとおりだ。
Pos. | Driver&Co-Driver | Car | Time |
---|---|---|---|
1位 | ヘイキ・コバライネン&北川紗衣 | AICELLOラックDL速心FABIA R5 | 44’42.1 |
2位 | 福永修&齊田美早子 | アサヒ☆カナックOSAMU555ファビア | +1’50.1 |
3位 | 鎌田卓麻&松本優一 | SUBARU WRX ラリーチャレンジ | +2’11.4 |
JN2優勝 | 奴田原文雄&東駿吾 | ADVAN カヤバ KTMS GRヤリス | 47’16.6 |
JN3優勝 | 山本悠太&立久井和子 | SammyK-oneルブロスYHGR86 | 50’35.9 |
JN4優勝 | 内藤学武&大高徹也 | YHアーリット スイフト | 50’18.0 |
JN5優勝 | 冨本諒&里中謙太 | ARTAオートバックスヤリスCVT | 54’11.7 |
JN6優勝 | 天野智之&井上裕紀子 | 豊田自動織機・DL・アクア | 54’39.0 |
全日本ラリー選手権の次戦第3戦はツール・ド・九州 2023 in 唐津。新城に続く今季2戦目のターマック(舗装路)ラリーとなる同イベントは、4月14〜16日に佐賀県唐津市と伊万里市の周辺で開催される。