【ライターコラムfrom金沢】武者修行先で得た先発の座、GK田尻健が抱く“結果”への渇望
2018年3月16日(金)19時0分 サッカーキング
「いまは大事なタイミングなので、1試合1試合集中して良いプレーをしていかないといけない。内容もそうだけど、ホンマに結果が一番。次の讃岐戦も、福岡戦も勝たないといけない」。昨季はベンチで試合を見守っていた田尻にとって、いまはキャリアの分岐点にもなりうる重要な時期なのだ。
第2節カマタマーレ讃岐戦、第3節アビスパ福岡戦はいずれも0-1の敗戦を喫したものの、守備が崩されるような場面はほとんどなかった。「後ろから見ていても守備は全然やられていない。讃岐戦はリフレクションになって失点し、福岡戦は自分のミスで失点した。それ以外のところは全然やられていない。守備はこのまま自信を持っていつも通りにやればいい」。また、田尻が理想に掲げる「シュートを打たせない守備」についても「自分の声掛けで多少は相手のチャンスを潰せていると思うし、みんなも実行してくれているのでやりやすい」と手応えを口にした。
しかし、その一方で「だから、なおさら失点ゼロに抑えたい。そこはこだわって、突き詰めてやっていかないといけない」と力を込める。「開幕戦のときはあれ(被決定機)を止められて、チームに流れを呼び込めた。そういうプレーもできるということが経験できたので、ああいうプレーを増やしていかないと」。
今節の大宮アルディージャ戦も田尻の先発が濃厚。前線に強力なタレントを擁する大宮との試合は一筋縄ではいかないだろう。「シモビッチ選手は高さがあって、そのセカンドボールに大前(元紀)選手が反応する典型的な2トップ。いかにシモビッチ選手のところを潰せるかというのはテーマとしてやっていこうと思っている。攻撃の起点を作らせないよう指示しながらやりたい」と大宮撃破へイメージをふくらませる。
ここ最近は試合に出続ける日々を送るが、「『試合に出ているから』という安心感を抱いたらどんどんダメになっていく一方だと思う。常に危機感を持ちながらやっている」。金沢で飛躍のチャンスをつかんだ田尻は、一切の妥協を許さず、結果を追い求める。
文=野中拓也