【高校野球】羽咋工の右腕、玉川幸輝が計測不能の山なりボールで8強入り「目標は球速55キロ」
2025年4月30日(水)16時22分 スポーツ報知
好投した羽咋工の右腕・玉川
◆春季高校野球石川県大会 ▽3回戦 羽咋工7—0金沢桜丘=8回コールド=(30日・石川県立)
ノーシードの羽咋工は、7—0の8回コールドで金沢桜丘を破って8強入りを決めた。技巧派のサイド右腕、玉川幸輝(3年)が先発し、60キロ台のスローカーブを交えながら5回まで4安打、無失点と好投。110キロ前後のストレートで緩急を付け、実力校を相手に好投した。西川祐喜監督は「完璧な投球でいい経験が出来た。バットをしっかり振ってくるチームにはハマります」と明るい表情を見せた。
球速差50キロの緩急に加え、さらに幻惑させたのが、要所で見せたアンダースローだ。打者にタイミングが合い始めると、すかさずアンダーに“転向”。「特に難しさはないが、指に引っかかることがあるので気をつけている。しっかりベース上に投げることを意識しています」とケロリとした表情。低いリリースポイントから浮き上がるような軌道でバットは空を切った。
中学時代は内野手だったが、サイドスローだったことを見込まれて、高校1年春から投手に転向。投球の幅を広げようと、昨夏からはアンダースローの練習も開始した。昨秋は実戦投入には至らなかったが、この日の試合前のブルペンで好感触を得た。「試しに投げたらコントロールが良く、使えるかなと思いました」と玉川。データにはない投球を繰り出し、狙い球を絞らせることはなかった。
スローボールは遅すぎて、球場のスピードガンは計測不能。試合後、中軸打者に対して遅いボールを投げる怖さを聞かれると「気持ちよく打ってもらえれば、それでいいです。今後はストレートの球速は上げつつ、さらにカーブを遅くしたい。目標は55キロ。打者が待ちきれないような、山なりのボールを投げたい」と玉川。さらなる球速ダウンを目指し、独自の投球術を磨き上げる。(中田 康博)