フレンチラグジュアリーカーの復興を担う旗艦『DS9』上陸。プラグインハイブリッドも用意

2022年3月17日(木)15時50分 AUTOSPORT web

 サヴォア・フェール(作品のクオリティを裏付ける経験や修練の存在)というフランスならではの概念をベースに、フレンチブランドだけが成しえる「ラグジュアリーをキーワードとした自動車文化を復活させる」との目標を掲げるDSオートモビルが、新たなフラッグシップサルーン『DS9』を発表。日本市場でもこの3月17日より発売開始となっている。


 全長4940mm、ホイールベース2895mmというのびのびとしたサイズを表現するべく、伝統的な3ボックスサルーンのプロポーションに対し、デザイン上にはDSらしいあらゆる伝統技巧が盛り込まれた。


 象徴的なヘッドライトユニットは、6つの配光モードを使い分けステアリングに応じて左右に照射角が連動し、キーで解錠すると美しいパープルの光を放ちながら回転するなど、優美なイメージを演出するDSアクティブLEDビジョンを採用。


 フロントフード部分には、従来のモデルで主にインテリアにあしらわれてきたClous de Paris(クル・ド・パリ)文様のクローム装飾を持つセイバー(サーベルの意)が走り、その“DSウィング”と呼ばれる表情豊かな造形のフロントフェイスと、立体的でダイヤモンドのような輝きを演出するパラメトリック3Dグリルなどと併せて印象的な表情を作り出す。


 フラッシュリトラクタブルハンドルがボディパネルと完全同一面に格納され、美しい面を生むサイドビューを経て、リヤエンドにはパリのルーヴル・ピラミッド(ガラスのピラミッド)をモチーフとし、ひし形にレーザーカットされた彫刻的なリフレクターを持つテールランプが埋め込まれ、重層的な3D効果を演出することでドラマチックな後ろ姿が表現された。


 そしてDS最大の見せ場となるインテリアは、センターコンソールのクル・ド・パリ(ギヨシェ彫り)が反復されるのはもちろんのこと、ヘッドアップディスプレイと8インチタッチスクリーンには、1920年代にフランスを席巻したアール・デコ様式をモダナイズしたようなグラフィックが採用されている。


 ダッシュボード中央のスイッチとエアアウトレットも“ルーヴル・ピラミッド”を想起させ、OPERA仕様のインテリアトリムでは、真珠のネックレスのように表糸を露出させるオートクチュールのドレス縫製技術と意匠をベースにした“パールトップステッチ”を採用するウォッチストラップシートを備えるなど、まさにDSのフラッグシップサルーンにふさわしい高いデザイン性を誇る。


 その優美な世界観を支える骨格は、C/D/Eセグメント用プラットフォームとして確固たる評価を得ているEMP2をベースに、今回は『DS 9』のためにバージョンアップ。ホイールベースはEMP2最長の2895mmとし、サイドシルなどを強化した上で独自の制振、静音化技術を投入。防音効果の高いラミネーテッドガラスはフロントで『DS 7 CROSSBACK』比+10%と厚みを増し、前後のサイドガラスにもラミネーテッドガラスを採用した。


 さらにロードノイズや雨音を減らすために、いままで以上に入念なホイールハウス遮音を実施。これに加えてフロントバルクヘッドと防音材には専用品を採用し、リヤ電動テールゲートの作動音もさらに軽減させるなど、あらゆる箇所において静音化対策を施している。


■パワートレインはPHEV仕様とガソリンエンジン仕様を用意


キーで解錠すると美しいパープルの光を放ちながら回転するなど、優美なイメージを演出するDSアクティブLEDビジョンを採用
RIVORI(リヴォリ)には、シックなバサルトブラックのレザーにダイヤモンドパターンのステッチを採用


 そのほか、エンジンマウントはクレードルタイプを採用し、制振、静音化とともにエンジンの位置決めをより強固なものに。フロントサスペンションアームは鋼板プレス構造からアルミ合金鍛造に変更され、ステアリングラックも専用品となっている。こうしたフロント部分のさらなる強化・バージョンアップにより、より滑らかで繊細なステアリングフィールと意のままの味わい深いハンドリングを実現した。


 パワートレインにはプラグインハイブリッド(PHEV)仕様のE-TENSEとガソリンエンジン仕様が用意され、PHEV仕様には2019年、2020年の2年連続でドライバーズ&チームのダブルチャンピオンを勝ち獲ったフォーミュラEのテクノロジーを注入。フロントに搭載する1.6リッター“PureTech”直噴ターボエンジン(200PS/300Nm)をベースに、81.2kW/110PSの前輪用モーターを装備。システム総合出力は250PS/360Nmとし、0-100km/h加速は8.1秒、EVモードにおける最高速度は135km/hと高いパフォーマンスを有する。


 リヤシート下に配置し前後重量配分の適正化を図った5.6Whの容量のリチウムイオントラクションバッテリーは、満充電に要する時間が3kW/200Vで約5時間、6kW/200Vで約2.5時間。無料のスマートフォン用アプリMyDSから充電予約と状況の確認、そしてエアコンのプリコンディショニングの遠隔操作が可能で、内燃機関を一切使わないEVモードでの走行は欧州WLTCモードで61kmとなり、ハイブリッド燃料消費率は14.0km/Lと優れた省燃費性能を誇る。


 一方のガソリン仕様1.6リッター“PureTech”は、吸排気可変バルブタイミングやウェイストゲートバルブの電動化、ガソリン微粒子フィルターの採用など高効率性と良好な燃費、そして高い環境性能を実現しながら、最高出力225PS/5500rpm、最大トルク300Nm/1900rpmとしている。


 また、レーンキープ時には左右両側の白線の中央のみならず、ドライバーが任意に左右位置を決めることができるDSコネクテッドパイロットは、走行状況に応じてドライバーの気持ちに沿った制御を実行。路面をセンシングして必要なダンピング特性を先読み制御するDSアクティブスキャンサスペンションや、最新のADAS(安全運転支援機能)など、グローバルスタンダードで見ても最先端のテクノロジーを満載している。


 エクステリアカラーには、繊細なメタリックホワイトを基調にハイライト部分にほのかにシャンパンゴールドが覗くエレガントな色調であるクリスタルパールをE-TENSEのイメージカラーに据え、ブルーミッドナイト、ブランナクレ、ノアールペルラネラ(受注生産)を用意。インテリアにはOPERAとRIVOLIの2種類のトリムが設定され、価格は630万〜787万9000円(税込)となっている。


DS 9車両情報:https://web.dsautomobiles.jp/ds9-debut/
DSコール TEL:0120-92-6813

OPERA(オペラ)ではルビーのような深紅が印象的なアールルビィと呼ばれるムラ染のレザーを使用する
車輌重量はPHEV版で1930kg、ガソリンエンジン版で1640kg(ともにOPERA)となる

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