生々しかった“裏切り行為”を告白された夜 米記者も「あんなに詳しく話すとは」と驚いた大谷翔平の証言とは?

2024年3月27日(水)7時0分 ココカラネクスト

水原氏の裏切りに対して大谷は複雑な胸の内を隠さなかった。(C)Getty Images

 騒動のあらましを時系列的に明かした表情は複雑さを極めていた。現地時間3月25日に本拠地ドジャー・スタジアムで会見を行い、世間を賑わせる元専属通訳である水原一平氏による違法賭博問題を自ら語った大谷翔平のそれである。

 問題をいち早く解決し、いよいよ本格化するレギュラーシーズンに専念したい。これまでもそうであったように大谷には間違いなくそういう思いもあったというのは想像に難くない。ただ、一大スキャンダルを振り返る会見でやはり滲み出たのは、水原氏に対する葛藤とも取れる言動だ。

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 無理もない。水原氏は日本ハム時代の通訳から縁をつなぎ、ここまで家族より長い時間のサポートを受けてきた「唯一無二の存在」。大谷が二刀流でブレイクスルーを果たし、アメリカン・リーグMVPに輝いた21年シーズン終了時の記者会見では「一番お世話になったのはやっぱり一平さん」と照れ臭そうに話していたのが、いまも印象に残る。

 二人三脚で歩みを進め、絶対的な信頼を置いていた人物から、いわば“裏切られた”わけである。質疑応答が許されなかった25日の会見では、表情を強張らせながら「正直ショックという言葉が正しいとは思わないですし、それ以上の、うまく言葉では表せないような感覚で1週間過ごしてきた。うまく言葉にするのは難しいなと思っています」と漏らすのも当然であった。おそらく関係者とともに作成したメモを準備していたとはいえ、公の場で自ら語ったのは、むしろ驚きですらあった。

 会見で発せられたありとあらゆる言葉がクローズアップされた。そのなかで最もショッキングだったのは、ドジャース関係者、そして大谷本人が水原氏の違法賭博関与を知った瞬間の出来事である。

 米スポーツ専門局『ESPN』など複数メディアによれば、水原氏は今月20日に韓国・ソウルで行われたパドレスとの開幕戦後にドジャースのクラブハウス内で大谷を含めた選手たちの前で「これから報じられるすべてのことは自分の過ちです」と罪を認め、「自分はギャンブル依存症です」と告白。チーム関係者への謝罪もしたという。

行方知れずとなっている水原氏の供述も

記者会見で一方的ではあったものの、自身の考えを明確にした大谷。その証言内容は驚きを呼ぶものでもあった。(C)Getty Images

 ただ、水原氏の説明と謝罪が英語であったため、大谷が裏切り行為の全容を知ったのは、宿泊するホテルに戻ってのことだった。「そのミーティングで彼は英語で全て話していたので、僕に通訳はついておらず、完全には理解できていなくて、何となくこういう内容だろうなと理解していましたが、なんとなく違和感も感じていました」と振り返った29歳は、その時の生々しいやり取りも打ち明けた。

「彼は僕に対して、ホテルに帰った後で2人でより詳しいことを話したいので今は待ってくれと、その時はホテルまで待つことにしていました。一平さんがその時、ミーティングの時にギャンブル依存症だと知らなかったし、彼が借金をしていることはもちろん知りませんでした。彼の借金返済に同意していませんし、ブックメーカーに対して送金をしてくれと頼んだことも、許可したことももちろんないです。

 試合後、ホテルに戻って一平さんと初めて話をして、彼に巨額の借金があることをその時知りました。彼はその時、僕の口座に勝手にアクセスし、ブックメーカーに送金していたと僕に伝えました。

 僕はやっぱりこれはおかしいなと思い、代理人たちを呼んで、そこで話し合いました。話が終わって、代理人も彼に嘘をつかれていたと初めて知り、ドジャースの皆さんと、弁護士に連絡しました。彼らも初めて嘘をつかれていたとその時に知りました。弁護士の人からは、窃盗と詐欺で警察と当局に引き渡すと話されました」

 この会見で6度にわたって強調した「嘘」。この言葉の繰り返しが大谷陣営、ひいては本人の怒りにも似た感情を明確にし、水原氏から事態を説明された際の緊張も感じさせるものとなった。

 実際、大谷の赤裸々な説明は現地メディアの間で驚きを呼んでいる。米大手放送局『CNN』が「説得力のある詳細な声明」と称えれば、米誌『Forbes』のアンソニー・ウィトラード記者は自身のX(旧Twitter)で「あんなに詳しく話してくれるとは思わなかった。彼の視点から、何が起きていたかをうまく説明してくれた。全体的に力強い発言だった」と好意的に評した。

 まさにファンやメディアはもちろん、多くの球界関係者にとっても、青天の霹靂と言える非常事態となった今回のスキャンダル。今後は司法当局の取り調べ、またMLB側も調査を進めるとされるなか、行方知れずとなっている水原氏の供述も注目される。

 いずれにしても、怒りと悲しみがこもった大谷の今回の声明発表が、世間の心を釘付けにしたのは間違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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