ホンダ陣営に残留確定のグエリエリ「僕らはまだ弱小チームだが、誰もが実力を知っている」/TCRワールドツアー
2025年3月31日(月)17時11分 AUTOSPORT web

昨季2024年は年間を通じてタイトル候補の一角であり続け、最終的に『FIA TCRワールドツアー』でランキング4位を記録していたエステバン・グエリエリが、今季もホンダ陣営のゴート・レーシングに残留することを発表。2年連続でFL5型ホンダ・シビック・タイプR TCRをドライブし、先日にもレースシート就任がアナウンスされた2023年TCRサウスアメリカ王者イグナシオ・モンテネグロとタッグを組むことになった。
昨季はFIA格式初年度のワールドツアーに参戦し、ブラジル・ラウンドで勝利を挙げていた40歳は、2017年のWTCC世界ツーリングカー選手権よりホンダとレースを続けており、その後のWTCR世界ツーリングカー・カップでも一貫してシビック・タイプRのステアリングを握ってきた。
「こうしてゴート・レーシングに残り、改めて『クムホFIA TCRワールドツアー』の2シーズン目を迎えることができてうれしく思う」と、WTCRでは通算2度のランクトップ3入りを果たしているグエリエリ。
「僕たちは他チームのように大きな規模のチームではないが、小規模でダイナミックだ。レースウイークエンドを一変させるような迅速かつ効果的な変更を加えることができるなど、その点では利点がある。2024年はこの点で非常に優れており、それが一貫性を生み出し、他のクルマが優位だったとしてもチャンピオンシップ争いを続けることができたんだ」
そんな40歳のベテランは、地元アルゼンチンから頭角を現した弱冠20歳の新星とともに、このスペインを拠点とするチームで「大きな仕事ができるはず」だと意欲を示す。
「僕たちはまだ弱小チームだが、誰もがチームの実力を知っており、僕はそれが気に入っている。イグナシオ(・モンテネグロ)と組むのは非常に良いことだ。昨年、JASモータースポーツドライバー育成プログラムの一環として彼を指導し、非常に感銘を受けた。一緒に良い仕事をできると確信しているよ」
同じく、チームマネージャーを務める“初代”TCRサウスアメリカ王者であり、かつては世界戦でグエリエリと相対したペペ・オリオラも「エステバンをふたたびチームに迎えることは、印象的な初年度を過ごした後で、僕らチームの優先事項だった」と、経験豊富なアルゼンチン人ドライバーをもう1年引き留めることができ、安堵しているとの見解を示した。
「彼は世界でもっとも成功しているツーリングカードライバーのひとりで、彼の経験は2024年の開幕ラウンドから僕たちのチームを強くするのに役立った。彼をチームに迎えることは成功の保証だ」と続けたオリオラ。
「昨年、彼は世界タイトルを争ってマカオの最終戦に出場したことで、それを証明したよね? 一緒にグリッドで良いショーをもたらすと確信しているし、この2025年シーズンをとても楽しみにしている」
一方、欧州最高峰のリージョン選手権であるTCRヨーロッパ・シリーズでは、昨季スパ・フランコルシャンで1回限りのスポット出場でシリーズデビューを果たし、今季TCRスペイン開幕戦では鮮やかな勝利を飾ったエリック・ジェネが、強豪モンラウ・モータースポーツからフルタイムプログラムでの参戦を表明している。
今季よりクプラ・レオンVZ TCRのステアリングを握り、全6戦の出場が決まったジェネは、すでにシートを確定させていたジェンソン・ブリックリーと組んで合計年齢わずか38歳というグリッド上で最年少ペアを結成する。
「これは僕が手にできる最高のパッケージだよ」と、兼ねてよりセアト(クプラ)の開発ドライバーも務めたジョルディ・ジェネを父に持つ17歳。
「チームとクプラは、昨年フランコ・ジロラミ(ドライバーズタイトルを獲得)とともに素晴らしい仕事をした。今年のTCRスペインでも非常に良いスタートを切れたし、TCRヨーロッパでも同じ進歩を遂げられると思っている」
そんなサラブレッド一家に出自を持つティーンエイジャーは、ポルトガルのアルガルヴェで始まる2025年シーズンを前に、次のように意気込む。
「これまで主にスペインでレースをしてきたから、ほとんどのサーキットは僕にとって初めての経験だ。スペインを離れて初めて大きなサーキットでレースをするし、ドイツ、イタリア、オーストリアも初めて訪れる。だから本当に楽しみにしているんだ。大変なチャレンジになるだろうけど、良い結果を出せるよう一生懸命に頑張りたいと思っているよ」
そのほか、昨季シングルカー体制で挑んだアウディからホンダ陣営にスイッチし、フェリペ・フェルナンデスとサンティアゴ・コンセプシオンの2台のFL5型シビック・タイプRを投入するRC2レーシングや、韓国出身デュオで挑むソライト・インディゴ・レーシングのヒョンデ・エラントラN TCRの2台がフル参戦プログラムを確約。
スウェーデンに拠点を置くMA:GPは引き続きヴィクトル・アンダーソンがリンク&コー03 TCRをドライブし、ニコラ・バルダンとフィリッポ・バルベリ擁するアイコア・レーシングは、TCRイタリアでの活動と並行して2台のアウディRS3 LMS2を送り込む。