水原氏が得ていた「究極の権力」 米経済サイトが大谷翔平に用意された“盤石体制”の脆弱性を問題視「バレロは本人と直接連絡を取らず」

2024年4月16日(火)11時24分 ココカラネクスト

大谷らの信頼を利用した水原氏。その悪質な行為が改めて問題視されている。(C)Getty Images

 球界のみならず、一般社会をも震撼させた大谷翔平(ドジャース)の元専属通訳だった水原一平氏のスキャンダルは、ひとつの局面を迎えた。

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 去る4月11日、米ロサンゼルスの連邦検察は、大谷の銀行口座を不正に使用し、違法賭博のブックメーカーに1600万ドル(約24億5000万円)の負債返済を行っていた水原氏を「銀行詐欺罪」で訴追。翌12日に同氏は釈放こそ認められたものの、ロサンゼルスの連邦地裁に足かせを装着されて出廷。大谷との接触禁止やカリフォルニア州中心部からの離脱不可など厳重な処分が敷かれた。

 世界的なスーパーアスリートの物語を語るうえで欠かせなかった“盟友”から“容疑者”にまで転落した水原氏。検察側からの訴状によって、あらためて明るみになった大谷や周囲の関係者たちに対する悪質な言動には、もはや愕然とするしかない。総損失額1億8290万ドル(約279億8370万円)という大規模賭博の肩代わりを身勝手に行っていた事実を含め、ショッキングな事件だと言えよう。

 無論、より大きな衝撃を受けたのは、水原氏を「一番お世話になった」と心底信頼していた大谷と彼の関係者たちだろう。ゆえに今回のスキャンダルを受け、一部メディアで批判を受けたネズ・バレロ代理人が所属する米大手代理人事務所『CAA』は、管理体制の見直しを図るようだ。

 米スポーツ専門経済系サイト『Sports Business Journal』は「ミズハラによるスキャンダルを受けてオオタニの側近のリストラを検討か」と銘打った衝撃的な記事を掲載。CAAがスーパースターの周辺体制の見直しを図る可能性を指摘した。

 同メディアは、騒動発覚以前の大谷に対するCAAの考えとして、「彼がバッティングとピッチング以外のことを心配しないように、ありとあらゆる問題を遮断するよう努めてきた」と指摘。とりわけシーズン中は大谷が心置きなく野球にのめり込むために、密な連絡などは避けていたとした。

 そのうえで、『CAA』が水原氏に関して「説明できることは何もなかった」と強調。そして、同事務所の管理体制がもたらした問題を手厳しく突いている。

「オオタニのサポート体制は、簿記係、財務マネージャー、会計士、彼のブランドを扱うスポーツ・マーケティング専門家、そして大谷の並外れた才能のため、目を見張るような契約交渉を行う主席代理人(バレロ氏)で構成されていた。この万全なるチーム構成は、何よりもオオタニを野球以外の煩わしいことから完全に自由にさせることが目的だった。

 しかし、彼らですら予想できなかったのは、この組織全体がただ1人の人物によっていかに簡単に危険にさらされる脆弱性があったということ。その『脆弱性』とは、他でもないオオタニの通訳だったミズハラだ。彼はCAAのどの関係者よりも究極の権力を与えられていたのだ」

 さらに同メディアは、水原氏の立ち位置について「ミズハラは単なる連絡役というだけでなく、CAAの事実上のスポークスマンでもあった」と強調。「彼を信頼して損をしたのはオオタニだけではない。オオタニの主席代理人であるネズ・バレロも、オオタニをより自由にするために、直接本人とは連絡を取らず、ミズハラを介してやり取りを行っていた」とも伝えている。

 このことからも水原氏が大谷側からどれだけの信用を置かれていたかが分かる。そこまでの厚い信頼を不正に利用していたと考えても、今回の一連のスキャンダルは、悪質極まりないと言えよう。大谷が「正直、ショックという言葉が正しいとも思わないですし、それ以上うまく言葉では表せないような感覚」(3月25日の声明発表会見より)に陥るのもむりはない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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