ジェネシスが耐久レース用エンジンを初始動。直4ベースのV8ツインターボ
2025年4月18日(金)11時56分 AUTOSPORT web

ジェネシス・マグマ・レーシングは4月17日、来季2026年のWEC世界耐久選手権デビューに向け、『GMR-001』に搭載されるV8ツインターボエンジンの初点火が2月下旬に行われたことを明らかにした。
16日水曜日に「韓国の活気に満ちたエネルギー」を象徴するマシンカラーリングを公開したヒョンデグループのブランドは、初回のテストが「計画どおり」に進んだことを遡及的に確認した。これは、2027年から始まるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権への参戦も視野に入れたプログラム開発における「重要なマイルストーン」となっている。
ヒョンデ・モータースポーツのパワートレイン責任者であるジュリアン・モンセと、エンジンワークショップリーダーのロブ・ベンソンが監督するこの3.2リッターV型8気筒エンジンは、2017年からヒョンデが自社生産しWRC世界ラリー選手権で使用しているターボチャージャー付き1.6リッター直列4気筒エンジンをベースとし、このふたつのユニットは部品の約60パーセントを共有しているという。
「我々の直列4気筒エンジンは非常に洗練された、非常に効率的なエンジンだ」と語るのは、ヒョンデ・モータースポーツのテクニカルディレクターを務めるフランソワ-グザビエ・ドゥメゾン。
「これは本格的なレース用エンジンであるため、WEC用エンジン開発のベースとして非常に優れている。ラリーは一種の耐久レースと言える。そのため、ル・マン24時間レース用エンジンとしては、このエンジンは良い出発点となるだろう」
「エンジン開発に使える時間を考えると、まったく新しいエンジンをゼロから完全に設計する時間がないことはすぐに分かった。エンジンの主要部品の設計、検証、そしてもちろん製造には長い時間が掛かるためだ。また、すべての部品を実際に走ってテストする必要がある」
「その点、WRCカーに搭載されている直列4気筒エンジンはすでに充分な実績がある。このエンジンから可能な限り多くの部品を流用することが理にかなったステップになった」
V8エンジンの設計作業は2024年6月に開始され、最初の点火予定日を前に同年10月までに完了していたという。オレカと協力し共通ハイブリッドシステムとLMDhシャシーの開発を進めるジェネシスは、エンジンとパワートレインの技術的詳細について、開発プロセスの中で後日発表するとしている。