「ちょっとスキンヘッド恐怖症なんですけど…」那須川天心、世界前哨戦でメイウェザー戦のトラウマ「克服したい」

2025年4月19日(土)5時0分 スポーツ報知

会見で自慢のTシャツを披露する那須川(カメラ・佐々木 清勝)

 WBC世界バンタム級1位、WBA&WBO2位、IBF4位の那須川天心が6月8日、東京・有明コロシアムで世界前哨戦に臨むことが18日、発表された。同級10回戦で、WBA6位ビクトル・サンティリャンと対戦する。都内で会見した天心は、11月にも予定される初の世界挑戦も見据え「ここからが勝負」と意気込んだ。メインでは、WBC同級王者・中谷潤人とIBF同級王者・西田凌佑が2団体王座統一戦に臨む。日本人世界王者同士の複数団体王座統一戦は史上4度目となる。

 世界へのカウントダウンが始まった。天心にとって前哨戦最大のテーマが、初めてのサウスポーとの戦いだ。「今、世界王者はサウスポーが多いので、そこに向けた戦いという意味もある」。現在バンタム級は、左右スイッチの堤聖也以外の世界王者3人がサウスポー。避けては通れないハードルに気を引き締めた。

 過去にも決着をつける。「僕、スキンヘッドの選手に1回やられていて。ちょっとスキンヘッド恐怖症なんですけど…」。キックボクサー時代の18年大みそか、プロボクシング元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)とエキシビションで戦い、わずか139秒でTKO負け(公式記録は勝敗裁定なし)した。同じくスキンヘッドのサンティリャン相手に「そのトラウマもしっかり克服したい」と報道陣を笑わせた。

 キックの“神童”はボクシングでデビューしてから、今月8日で2年となった。「まだ新人の部類。ただ僕は毎日、『精神と時の部屋』にいる。そういう練習をしているからこそ、ここまで来られている」との自負がある。先日は大阪で、体の中心を意識しながら重心をコントロールする「BCトレーニング」に取り組んだ。「量子の世界に行ってます。ニュートン(力学)を通り越して。今回は量子ボクシングって感じ。そこを意識しながらやった」と天心節で成果を報告した。

 「僕はどちらかというとアウトボクサーだが、全部できなければ最強になれない。オールマイティーであることが大事」。物理現象の最小単位レベルである量子のように、細部まで突き詰めた全方位型のスタイルを追求し、「最強」を目指す。

 世界前哨戦をクリアすれば、11月にも初の世界挑戦の舞台に上がる計画だ。「ここからが勝負だと思う。今年どうなるか、楽しみなことがいっぱいある。しっかり今回の試合でものろしを上げたい」。万全の準備で、世界への最終関門に挑む。(勝田 成紀)

◆天心に聞く

 —(前世界王者の)モロニー戦後の相手としては物足りない?

 「モロニー以上に知名度のある海外の選手って、なかなかいない。いろいろ候補もいたが、その中でも一番強い選手とやることになった。だから世の中の人たちに言いたいのは、文句を言うなと(笑)」

 —世界前哨戦をKO勝利で飾りたい?

 「もちろんそれはあるが、狙い過ぎると倒せないところもある。1試合1試合課題も見えてきて、今までは大雑把な課題だったが、今は細かい課題になってきている。そこの細かい部分を調整して集約していく。そこがうまくはまれば倒せるとは思う」

 —同じ興行で戦う中谷の印象。

 「中谷選手に限らずパウンド・フォー・パウンドに日本人が結構(3人)入っている。その時代にボクシングができて僕は本当に幸せだし、だからこそ試されているんだと思う。中谷選手に関しては洋服の広告に出ていたのを見てかっこいいなと思った」

 ◆BCトレーニング 体の中心を意識しながらブリッジなどの動きの中で重心をコントロールすることにより、力を最大限に発揮できるようにするトレーニング。ドジャース山本由伸投手もオリックス在籍時から取り組んでいる。ボクシング転向直後に始めた天心は「言葉にするのは難しいが、呼吸をすると、今日はここが詰まって、ここが動き悪いなとか、自分の体の位置が分かってくる」と効果を語る。

スポーツ報知

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